研究活動・親睦

新年会

東日本ゼミナール・新年会開催2015

東日本ゼミナール・新年会開催2015

「巷の詩人 山之口獏」狩野敏也氏講演

  1月17日(土)、早稲田奉仕園キリスト教会館にて、東日本ゼミナール、および新年会が開催された。当日は好天に恵まれたこともあり、盛会となった。遠方からお見えになっていた方も多かったようだ。ゼミナールの進行役は、亜久津歩、木島章、両氏が担当された。
  まず、財部鳥子会長より新年の挨拶をいただいた。新年にふさわしく、祝い歌を題材にしたお話をしてくださった。「よい言葉を発すればよいことが起こり、不吉な言葉を口にすればその年は凶事が起こる。言霊は、言葉に魂がこもるということ。そしてその魂が歌になってあらわれる。よい歌を歌っていける世の中にしたい」。
 今年のゼミナールのメイン講演は、狩野敏也氏。まず岡島弘子理事より狩野氏の略歴紹介があった。
 氏の講演は、「巷の詩人 山之口獏」。山之口獏は、2004年に生誕百年を迎え、地元沖縄を中心に再評価が広まっているという。狩野氏は、主に彼の日常や生活の「顔」にスポットを当て、所々、山之口獏(以後、獏さん)のテレビ映像や朗読CDを入れつつ、ユーモアを込め詩人像を浮き彫りにされていった。獏さんの詩の朗読は、林哲也氏が担当。
 巷の詩人、という講演タイトルにもあるように、獏さんという人は、自然、花鳥風月といったものより、ごみごみした街の陋巷や人間そのものを好んで詩作の題材にしていた。とくに東京の池袋の街をこよなく愛した。彼にとって、池袋は、街全体が、事務所であり、書斎であり、食堂であり、社交界であった。事実、池袋に、馴染みの呑み屋さんや喫茶店をたくさん持っていて、そうした店で過ごす時間のほうが圧倒的に長かったそうだ。狩野氏と獏さんとの出会いは、狩野氏がラジオ局のプロデューサーをされていた時分に制作したドキュメンタリー番組だったという。池袋をテーマにしたその番組で、狩野氏は獏さんの魅力を堪能する。印象的だったのは、フォーク歌手高田渡氏のライブ映像だ。彼は、獏さんの詩に曲を付け、自らのライブでよく歌っていた。高田氏の飄々とした歌声と獏さんの詩作品は、絶妙に溶け合い、ゼミナール会場の聴衆の方たちを魅了していた。
 最後に、狩野氏がいちばん好きだという獏さんの「ねずみ」という作品を林氏に朗読いただき、講演を締めくくられた。ゆったりとした一時間半のお話であった。
 途中休憩を挟み、後半は、会員による詩の朗読とスピーチ。中山直子、沢村俊輔、新井高子、渡辺めぐみ、田中武、長嶋南子、根本明、渡辺みえこ、各氏にご披露いただいた。詩の朗読はもちろんのこと、合間に語られる各自のスピーチにもその人となりが出ていた。ただ、後半、時間が押してしまい、一部の朗読者の方のお話を十分にお聴きできなかったことが悔やまれる。
 杉本真維子理事の閉会挨拶でゼミナールは無事終了した。
 新年会は、会場を同じ敷地内にあるリバティホールに移し、浜江順子氏の進行役により賑やかに始まった。北畑光男理事長による開会の言葉、日本現代詩人会元会長・八木忠栄氏、日本詩人クラブ理事長・川中子義勝氏、お二方による祝辞。乾杯の音頭は甲田四郎氏。今年も、遠方より多数の会員の方々が参加されており、浜江氏からの紹介でそれぞれスピーチをいただいた。またゼミナールで講演された狩野敏也氏より、今年も越乃寒梅の差し入れを頂戴した。新年会閉会の挨拶は、金井雄二副理事長。和やかな宴となった。
 
(報告・長谷川忍)
 
 
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