日本現代詩人会とは

この会は日本の詩人の権益を団体的に守り、現代詩の普及発展のために協力し、国際的活動を推進し、詩人相互の親睦をはかることを目的としています。


  • 山田隆昭会長

  • 公益信託代表
    山田隆昭

  • 第75回H氏賞
    草間小鳥子

  • 第43回現代詩人賞
    秋山基夫

詩投稿結果発表

投稿数683作、投稿者354人。多くの方にご投稿いただきありがとうございました。詩投稿欄第38期(7-9月)の選評および入選作をご紹介いたします。
またトップページに入選作を何回かに分けて、縦書き表示にて順次公開していきます。

詩投稿

H氏賞受賞者や日本現代詩人会の会員たちが入選作を選び選評いたします。

1期一人3篇までの投稿で、3ヶ月毎に選考し、入選作を選評とともに公開します。

第36期~39期選者(2025.1~2025.12)
・伊武トーマ

・橘 麻巳子
・根本 紫苑

詳しくは投稿規定をご参照ください。皆様のご投稿をお待ちします。

【速報】◆第75回H氏賞・第43回現代詩人賞決定のお知らせ

2025年3月1日(土)午後1時から、東京都・早稲田奉仕園セミナーハウスにおいて、第2次選考委員会が開かれました。詩壇の芥川賞とも呼ばれるH氏賞と、中堅以上の詩人に贈られる現代詩人賞が決定いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。なお、授賞式は6月1日(日)私学会館アルカディア市ヶ谷にて開催される「日本の詩祭2025」にて挙行される予定となっております。何卒よろしくお願い申し上げます。
◆2025年度 第75回H氏賞(賞金50万円及び記念品)
●受賞詩集『ハルシネーション』(七月堂)
●受賞者 草間 小鳥子(くさま ことりこ)
●受賞者プロフィール 
1987年神奈川県生まれ、神奈川県在住。日本女子大学文学部英文学科卒。第27回詩と思想新人賞を受賞し、2020年に詩集『あの日、水の森で』(土曜美術社出版販売)を刊行。映画主題歌の作詞、プロダンスリーグ「Dリーグ」への詩の提供、音楽家と俳優と結成したユニット「Poetic Mica Drops」としてポエトリーショートドラマの制作ほか、多様な媒体で詩作にかかわっている。小詩集『ビオオープ』(資生堂花椿文庫)、詩集『あの日、水の森で』(土曜美術社出版販売)、詩集『源流のある町』(七月堂)、詩集『ハルシネーション』(七月堂)。
<第75回H氏賞選考委員> ◎根本明(選考委員長)、相沢正一郎、小笠原眞、篠﨑勝己、
田中裕子、山中真知子、野村喜和夫(理事)
 ◆2025年度 第43回現代詩人賞(賞金50万円及び記念品)
●受賞詩集 『花下一睡』(七月堂)
●受賞者  秋山 基夫(あきやま もとお)
●受賞者プロフィール
1932年神戸市生まれ、岡山県在住。岡山大学卒。1960年代から自覚的に詩作。1970年代、片桐ユズルらと<オーラル派>として自作詩朗読を積極的に行う。1990年代より集中的に詩集を刊行。
主な著書:『旅のオーオー』(1965年思潮社)、『十三人』(第1回中四国詩人賞)、『家庭生活』(第16回富田砕花賞)、『夢ふたたび』(長編詩)、及び二十余冊の詩集刊行。他に、評論集『詩行論』など数冊。
<第43回現代詩人賞選考委員> ◎瀬崎祐(選考委員長)、海埜今日子、加藤廣行、
浜江順子、北條裕子、北川朱実、浜田優(理事)
【速報】第75回H氏賞候補詩集が決定

 2025年2月1日午前11時より、開票
のための理事会が開かれた。投票管理委員
の柊月めぐみ氏、生駒正朗氏の立会いのも
と、会員からの投票が開封され、集計され
た。その結果、第75回H氏賞候補投票は次
の結果となった。投票率は、30・0%だっ
た。 (第43回現代詩⼈賞は下段)

①林美佐子『ピコピコハンマー』  11票
②草間小鳥子『ハルシネーション』 10票
③雪柳あうこ『骨を撒く海にて、草々』
                 8票
④宮田直哉『ある風景』(書肆子午線) 
                 7票
④角 朋美『透明な遠くへ』    7票
④市川恵子『世界にあるもの』   7票
⑦佐野亜利亜『女子の掟、もしくは』6票
⑦橘しのぶ『水栽培の猫』     6票
⑦丸田麻保子『カフカを読みながら』6票
               (敬称略)

 以上の9詩集を理事会として決定。同日
午後4時より開かれた第75回H氏賞選考委
員会に申し送りされた。
 H氏賞第1次選考委員会ではこれらに加
えて、次の3詩集を推薦詩集とした。

 漆原正雄『風を訪うまで』
 山内優花『きせつきせつ』
 寺道亮信『乳既』
               (敬称略)

 結果、12冊の詩集が第75回H氏賞候補詩
集として決定した。3月1日の第2次選考
委員会で受賞詩集が選出される。


■第75回H詩賞選考委員(敬称略)
 相沢正一郎、小笠原眞、篠崎勝己、
 田中裕子、根本明(委員長)、
 山中真知子、野村喜和夫(理事)

【速報】第43回現代詩人賞候補詩集が決定

 2025年2月1日午前11時より、開票
のための理事会が開かれた。投票管理委員
の柊月めぐみ氏、生駒正朗氏の立会いのも
と、会員からの投票が開封され、集計され
た。その結果、第43回現代詩人賞候補投票
は次の結果となった。投票率は、30・0%
だった。(第75回H氏賞は上段)

①佐川亜紀『その言葉はゴーヤのように』
                 23票
②田村雅之『魂匣』        11票
②春木節子『行方しらず』     11票
④たかとう匡子『ねじれた空を背負って』
                 10票
⑤河野俊一『ストーマの朝』    9票
⑥吉田義昭『海と重力』      8票
⑦岩木誠一郎『声の影』      7票
⑦冨岡悦子『斐伊川相聞』     7票
⑦瀬野とし『まわれまわれ』    7票
               (敬称略)

 以上の9詩集を理事会として決定。同日
午後4時より開かれた第43回現代詩人賞選
考委員会に申し送りされた。
 現代詩人賞第1次選考委員会ではこれら
に加えて、次の3詩集を推薦詩集とした。

 秋山基夫『花下一睡』
 篠﨑勝己『死ねない魂のための音楽』
 眞神 博『精神の配達』
               (敬称略)

 結果、12冊の詩集が第43回現代詩人賞候
補詩集として決定した。3月1日の第2次
選考委員会で受賞詩集が選出される。


■第43回現代詩人賞選考委員(敬称略)
 海埜今日子、加藤廣行、北川朱実、
 瀬崎祐(委員長)、浜江順子、
 北條裕子、浜田優(理事)


日本の詩祭2024第Ⅰ部 贈呈式・先達詩人の顕彰・詩朗読

「詩投稿 第38期」入選作品紹介Topページに入選作を順次公開します。

牛坂夏輝「トカゲの詩、あるいは恋愛関係」

湿った石の下から
蒼白のトカゲが目を開く
眼差しは腐敗した果実を割り
皮膚の下で沈黙は血を濁らせる
ひとつの震えが骨に突き刺さり
愛撫の予感は死の吐息を孕む
閉ざされた扉の奥で
肉は黒い冷光を待ち
夜の影は心臓を抉る


トカゲは舌を突き出し
腐臭の空気を切り裂きながら近づく
その身は干からびた花弁のように崩れ
触れるたび灰が舞い上がる
汗の輪郭は墓石を描き
二人の距離は死骸の温度に縮む
呼吸は血の柘榴を砕き
互いの影をすり抜けて
沈黙は屍のように血に沈む


裂け目から溢れる暗黒の奔流
トカゲの尾は血に濡れて千切れ
再生の約束は虚ろに崩れる
白い閃光は墓標を照らし
唇は死の水を啜る
絶頂の闇は屍翼を持ち
息は冷たい晶体に変わり
世界は粉々に砕け散り
死の沈黙だけが残る


余波に揺れる胸郭の奥で
トカゲは破片となって這い寄り
切断された尾を墓に捧げる
恋の残響は硝煙に変わり
沈黙は廃墟を満たす鐘を打つ
泉は血の泡を湧かせ
影は影に溶けず
光は朽ちた刃となって
孤独を屍の形に彫り出す


夜明け、砂に埋もれたトカゲは
腐敗した夢を抱いたまま眠る
身体には死の痕跡が刻まれ
眼差しは空虚の余白を凝視する
触れた指先は冷たく
静けさは崩れた鐘楼に鳴り響く
互いの沈黙だけが累々と積もり
影は離反したまま
光は死の始まりを告げる

 

 

緒方 水花里「リベンジライト」

私はとられた
シャッターの隙間を潜り抜ける
瞬間殺された
アリス
あれは私の光だった

スマートフォンという名の銃身 歩道を5億年前の流木が渡るのに
誰も気付かない掌の中の死 4で柔らかく開くアリスに夢中

私はとられた
炸裂する光の度に
鱗が剥がれ落ちる

私ではない

分裂する

切った爪先 蜥蜴の尻尾
死んだ猿の手を
お守りにするのは誰?
月は本当はアメーバなのに
皆丸いと信じている
時間泥棒

私は光ではない(という光をあなたは見ている)
私は文字ではないのに(という私は文字である)
私は流れ星 落ちるその時でしかないのに 箱の中閉じ込めないで 
アリスは彼と待ち合わせただけ 待ち合わせて車庫に行っただけ 
閉じ始めるシャッターの隙間から逃げ出す手を引いて千切れる! 
私の腕! 私の足! そして分裂する私と私と私と
アリス
私の時間! ダーリン返してあなたが見ているそれは誰? 私は私
アリスはいつも私のかさぶたを食べてしまうの

閃光「 」

「私」/それはかつてあった/「私」/アイスクリームを舐める/「私」/もう溶けてしまったのに/「私」/あなたはそこにいると信じている/「私」/見られている/「私」/私はあなたを見ていないのに/「私」/月を見上げている/「私」/違う見上げていた/「私」/丸い月など何処にもないあれは鏡の世界のまがいもの溶けないあなたは/私じゃない/私じゃない私じゃない私じゃない私私私私私が箱の中鏡の中世界中に私私私無数の私私私舐める舐め続ける私違うそれは私じゃない世界中に散らばるアリスアリスアリス
明かりを消して 
恥ずかしいじゃないの

ねえダーウィン人類は進化を辿る一方じゃないの 
街には死が散乱 皆が殺し合っている(他人を勿論自分も)
私をとりかえすための言葉さえも 平面世界で無限に死に続ける
それはつまり生き続けるということであり
「私」

眼鏡の中永遠に生き続けるのでしょう それは私ではないのにね
かつてあった流木の股の中へ吸い込まれる
私のアリス
私のアリス
私のアリス
私のアリスへ
今度は私が閉じ込める番でしょう?

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