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各地の声「岡山で詩を楽しむ人々の今」 瀬崎祐

各地の声

「岡山で詩を楽しむ人々の今」 瀬崎 祐

 岡山県には100号を越える詩誌がいくつかある。井奥行彦が発行している「火片」は昭和26年に創刊され、現在は32人の同人で199号が重光はるみ、則武一女の編集で発行されている。「黄薔薇」は故・永瀬清子が昭和27年に創刊し、氏が没後は故・高田千尋が長く支えていた。現在の事務局は明石久美子で、同人は22人で211号が発行されている。「道標」は昭和51年の創刊で現在は松田研之発行で170号が出ている。同号への詩発表者は19名。
 その他にも、「みもざ」は平成13年に創刊され、現在の発行人は浜島れい子、33号が出ており、同人は11人。「どぅるかまら」は平成18年創刊で瀬崎祐発行。現在の同人数は19名で24号が出ている。故・坂本明子が主催していた「裸足」終刊の後を継いで平成20年に壺坂輝代を発行人として創刊された「ネビューラ」は同人数34名で62号を出している。同誌は隔月刊を続けており、毎年朗読会「午後のポエム」も開催している。坂本法子発行の「穂」は同人8名で、75号が出ている。個人詩誌としては、くにさだきみ「径」、田中郁子「緑」、森崎昭生「ニンゲン」、瀬崎祐「風都市」が出ている。少し変わったところでは、なんば・みちこが中心となり発行されている「童謡集とっくんこ」がある。会員65名で48号が発行されている。
 また岡山県は行政の支援にもかなり恵まれている。毎年、県がおこなっている岡山県文学選奨では現代詩を始めとして小説、短歌、俳句など8部門での公募がされる。現在の現代詩部門の選者は河邉由紀恵、日笠芙美子で、各部門を統括する総合審査を瀬崎祐がおこなっている。県内の他の公募としては木山捷平文学選奨、岡山市民の文芸賞、倉敷市民文学賞、井原市文学賞、備前市文学賞、高梁市文学選奨などがあり、それぞれに詩の部門がある。
 岡山県文化賞は、科学、医学、芸能、工芸などの各分野での長年の功績が顕彰されるものである。毎年二、三名が受賞するが、今年は秋山基夫が文芸部門で受賞をした。また山陽新聞も各分野での功労をたたえる山陽新聞賞を制定しており、今年は岡隆夫が文芸部門で受賞している。
 詩誌の垣根を越えた勉強会としては、故・三沢浩二と秋山基夫が平成8年にはじめた「四土の会」がある。これまでに220回以上の会をおこない、参加者のアンソロジー「四土詩集」を6冊出版している。
 これらの詩を楽しむ人々の多くが集まる組織として岡山県詩人協会がある。現在約120名の会員数で、現在は会長を瀬崎祐が、副会長を斎藤恵子が務めている。会の前身としては昭和34年に「岡山県詩集」創刊号を出版した県詩集刊行委員会があり、昭和35年には「岡山県詩人連盟」の規約が作られている。これらのことより、およそ60年の歴史を持つと考えられる。
 現在の毎年の活動としては、総会および講演会などをおこなう県詩人協会大会、それに、小学生から中学生、高校生、大人の自作詩朗読の会である「聞いてください岡山の現代詩」がある。若い人たちの作品には県詩人協会の会員がやさしい講評を添えている。昨年からは年2回の「詩を楽しむ会を」開いており、萩原朔太郎、三好達治などを取りあげている。隔年で前述の「県詩集」を発行しており、昨年の23冊目には80名の作品を収めた。また「文学散歩」も隔年で企画し、チャーターしたバスで県内の詩に関係した場所をめぐっている。今年は永瀬清子の生家などをめぐった。広報活動としては、「岡山県詩人協会たより」を年3回発行しており、県詩人協会のホームページでは県内の詩に関係するイベント情報などを発信している。
 岡山での全国大会の開催としては、平成21年に日本詩人クラブ岡山大会、平成24年に日本現代詩人会西日本ゼミナールをおこなっている。また今秋には3回目となる中四国詩人会岡山大会がおこなわれる。
 詩を書くという行為は孤独で辛い行為である。しかし、目的や信条の違いを超えて、詩を書くという行為を認め合う同志がいる、という思いは支えになっていると思える。(文中敬称略)

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