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研究会の紹介

各地のイベントから(2017年9月20日受まで)

各地のイベントから

 記念講演「ふるさと新潟で私が詩を書き始めた頃」 財部鳥子氏

 新潟県現代詩人会では『新潟県現代詩人会アンソロジー2016』刊行を記念して、三月十九日(日)新潟市万代市民会館にて講演会を開催しました。
 講演者は前日本現代詩人会会長で、詩集『氷菓とカンタータ』で昨年度の高見順賞を受賞した財部鳥子氏です。「ふるさと新潟で私が詩を書き始めた頃」と題しての講演でした。
 財部氏は新潟県東蒲原郡三川村(現阿賀野市)で生まれ、すぐに満州へ渡られ、国民学校六年生十二歳の時敗戦を迎え、満州から日本へ引揚げるという体験をされました。引き揚げ後は母の故郷三川村で暮らし、二十代半ばまでは新潟市で生活されていました。
 戦後、中学生時代のいじめによる不登校や鉱山での肉体労働の事、新潟市役所へ勤めるまでの思い出や〝青春期のふるさと新潟〟への心の葛藤を独特のユーモアで語って下さいました。
 氏の詩精神の深く揺らぎない真実を見る目は、いまは異郷の中国東北部―満州の記憶と敗戦後の引揚げ途中で体験した惨劇から思考されたものであること。そうした人間の悲喜劇性を歴史に還元するだけでなく、あくまで個人の精神の記憶として表現してゆく姿勢を氏は語られ、参加者に深い感銘を与えて下さいました。
 財部氏が語った詩への道のりは、詩の未来を志す人やこれから詩と向きあおうとする人にとって貴重な示唆となったことでしょう。新潟県現代詩人会としても多数の会員と市民の参加が得られて、今後の活動の指針として貴重な経験をさせていただきました。(文責 鈴木良一)


岐阜県詩人会 第五回定期総会
 講演「詩法について―さまざまな文芸作品をとおして」 山田隆昭氏

 五月七日(日)、岐阜駅ハートフルスクエアーGにて、岐阜県詩人会第五回定期総会が開催された。冨長覚梁会長の挨拶に始まり、そのなかで、昨年亡くなられた伊藤桂一氏の生き様と芭蕉の不易流行の重なりについて話された。
 議事に移り、前年の事業報告、新体制の紹介等の議案が承認された。最後に頼圭二郎新会長の挨拶があり、新年度に対する抱負(会員の拡大、組織の透明性の向上)が語られ、総会は終了した。
 続いて山田隆昭氏による講演「詩法について―さまざまな文芸作品をとおして」があった。
 まず、漢字に関して、「字体」「字形」「字種」の違いについて話された。例えば、「仏」と「佛」は、字種は同じで字体が異なる。漢字ひとつでも疎かにしない姿勢の大切さをいわれた。
 詩に求められるイメージの的確さについて、詩の他に丸山健二の小説や俳句(例えば、松本たかし「徐に黴がはびこるけはひあり」、高野素十「翅わっててんとう虫の飛びいづる」)などからも、様々な刺激を受けたことも話された。
 詩を書くきっかけとして、従兄の死や村上昭夫詩集『動物哀歌』の影響も語られた。それから、自作品「起源―下北半島尻屋崎にて―」「さかな屋」を朗読され、詩における気付きの重要性を指摘された。(文責 古賀大助)

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