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各地の声(会報159号から・茨城県詩人協会)

各地の声

茨城県詩人協会
 茨城の詩人たち 草創期から充実期へ
   茨城県詩人協会理事長 高山利三郎

 茨城県詩人協会の創立は、他県の団体(組織)に比べて歴史が浅い。二〇〇五年七月であったから、今年で十五年になる。会長鈴木満氏(故人、水戸市)、理事長武子和幸氏(ひたちなか市)、名誉会員として星野徹氏(故人、水戸市)、瀬谷耕作氏(故人、水戸市)、新川和江氏(東京都)、粕谷栄市氏(古河市)、山本十四尾氏(古河市)の五名、会員百三十名の船出であった。鈴木会長は会報一号で「三年後に茨城で、国民文化祭が迫ってきたこともあり、県域の詩人組織を必要とし、県内の同人詩誌の代表の方々と協議し、茨城県詩人協会の設立となった。」と記している。三年後の二〇〇八年十一月に山村暮鳥ゆかりの地大洗町で国文祭現代詩大会が開催され、七百名余の参加者で盛会裏に終了した。
 その後の大きなイベントとして(一社)日本詩人クラブ茨城大会(二〇一一年五月水戸市)日本現代詩人会東日本ゼミナールin茨城(二〇一二年一〇月つくば市)を開催した。特に、東日本大震災後、開催困難な中実施できた日本詩人クラブ茨城大会は、今でも記憶に残るものであった。二〇一三年には、協会創立初めてのアンソロジー『茨城現代詩選二〇一三』を発行し、翌年三月水戸市三の丸ホテルで出版祝賀会が盛大に開かれた。
 創立後、会の行事として実施されてきた講演会、研究会を、それまでの水戸市会場から県内各地(土浦市、鹿嶋市、結城市、古河市、つくば市、石岡市)に年度ごとに移すことにした。また、創立十周年を機に研究会という名称から「いばらき詩祭」に変更し、その一回目を二〇一五年に十周年記念として水戸市で開催した。この時の記念講演には、平林敏彦氏を招聘し「戦後詩の原点」と題した貴重なお話を拝聴することができた。その後「いばらき詩祭」は、二〇一六年古河市(講演粕谷栄市氏、山本十四尾氏)、二〇一七年石岡市(講演 八重樫克羅氏、高山利三郎)、二〇一八年つくば市(対談石田瑞穂氏と塚本敏雄氏)、二〇一九年水戸市(講演 網谷厚子氏)と会場を移し実施した。今年は、結城市で十一月に開催を予定している。「いばらき詩祭」と変更した理由は、会員同士の研鑽の場から詩をもっと開かれたものにしようと考えたからである。昨年は、水戸市内のコーヒー店の地下を会場とし町中で実施した。講演だけでなくオープンマイクによる詩の朗読(参加者自由、一般の方歓迎)を必ず実施するようにしている。
 現在会長は、硲杏子氏(石岡市)が前会長及川馥氏(水戸市)から引き継いでリーダーシップを発揮されている。現会員は一〇二名で、会員の高齢化等で減少傾向にあるのが課題である。
 現在活動している詩誌等を紹介することにする。「白亜紀」(ひたちなか市・武子和幸)、「風樹」(水戸市・大塚欽一)、「衣」(古河市・山本十四尾)「GATE」(つくば市・塚本敏雄)「へにあすま」(つくば市・高山利三郎)、「シーラカンス」(水戸市・岡部千草)、「万河・Banga」(龍ヶ崎市・網谷厚子)、「ひろば21」(水戸市・船橋つぎ子)、「pont」(水戸市・原桐子)等がある。また、茨城新聞の「詩壇」(選者武子和幸、橋浦洋志・水戸市)は県内詩愛好者の投稿を通して、若き詩人の発掘に貢献している。結城市でユニークな活動をしている「センダンの木の集い」(代表関和代)は、新川和江氏を囲んでの詩の学習会である。最後に小泉周二(ひたちなか市)は、小学校の国語科教科書にも取り上げられている少年詩で活躍している。今、茨城の詩人たちは、充実期を迎え活発な活動を展開している。

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