会員情報

研究会の紹介

各地のイベントから(2014.12受付)

第29回国民文化祭、北秋田市で開催

 北の風土・詩作の旅、表彰式、踊りと朗読、群読、対談 現代詩フェスティバル多彩に開催
 国内最大の文化の祭典といわれる「第29回国民文化祭」が、去る10月4日から11月3日までの1カ月間、秋田県内全25市町村を会場に開催された。
 そのうち私たちが係わった「現代詩フェスティバル」(「文芸祭現代詩大会」)は、10月25(土)・26(日)日の両日、「北秋田市文化会館ホール」を主会場に催された。初日の午後は、「北の風土・詩作の旅」で、「雄大な自然と歴史を感じながら詩を作りませんか」と呼びかけ、バスで紅葉の景観に触れながら、発見、創作の旅を楽しんだ。また、「前夜祭」としての交流会では、日本現代詩人会の北畑理事長、日本詩人クラブの細野会長はじめ、次回開催の南九州市からなど遠来の方々が多数参加され、地元を代表して津谷北秋田市長ほかが歓迎の言葉を述べた。
 この大会の中心は、表彰式。全国から応募された4600篇の詩を、1次審査を経て最終審査に上がった240篇を、9人の審査員で熱心、丁寧に審査決定された。地元秋田県からの応募数が多かったとは言え、3部門(小・中高・一般)とも上位受賞となったことは関係者及び県民の喜びとするところで、まさに「山水みな詩の国あきた」を彷彿させたように思えた。受賞は「文部科学大臣賞」はじめ「日本現代詩人会会長賞」、「日本詩人クラブ会長賞」など小学生は13賞、中・高校生と一般は12賞がそれぞれに授与された。
講評は3部門について審査委員長の朝倉宏哉氏(日本現代詩人会元理事)が、小学生の部は高山利三郎氏(日本詩人クラブ理事)が、中・高校生の部は黒羽由紀子氏(日本詩人クラブ理事)が、一般の部は柴田三吉氏(日本現代詩人会会員)が選評をまとめられた。
 朝倉審査委員長の講評は懇切に作品の傾向等について話され「人間形成されていく姿がいきいきとしていた。たしかに秋田に新しい強い風が吹いたという感じがしている。」と締めくくられ参加者に感銘を与えた。
 表彰式のオープニングは、「駒踊りと朗読」で、昨年逝去した詩人町長(初代県現代詩人協会会長)の畠山義郎氏の詩「幻想―踊る駒」が朗読された。また「綴(つづれ)子(こ)の大太鼓」や、午後からの歓迎アトラクションは、県立北鷹高校書道部8人によるパフォーマンスで、舞台一面に筆勢を披露し、中心に「感謝」と大書して喝采を受けた。続いて「獅子踊りと朗読」では、福司満氏(県現代詩人協会副会長)が方言詩『愛と恋の「獅子踊り」』を朗読し方言の情緒を会場に浸透させた。対談では、作家、詩人の伊奈かっぺい氏(青森県弘前市)と、詩人、エッセイストの、あゆかわのぼる氏(秋田市)が、「地域文化と詩、方言と風土」について語り、やや堅いテーマを二人は軽快なトークで、会場を和ませ笑いを誘った。
 そしてフィナーレ。「秋田の詩の群読」で、佐々木久晴氏(秋田大学、秋田県立大学名誉教授)の詩5編を、駒木田鶴子氏(県現代詩人協会副会長)ら5人で、郷土の詩をスクリーンに映し出された小松ひとみ氏の写真とともに声高らかに朗読、次回開催地の南九州市(霜出勘平市長)へと引き継いだ。地元出身作曲家、成田為三の「浜辺の歌」を全員で合唱、無事終了した。この祭典が一過性で終わることなく、地域の活性化につながるよう、今後も努力を重ねていきたい。多くの関係された皆様に心から感謝申し上げます。
(秋田県現代詩人協会会長 山形一至)

 

第37回 詩祭 講演と朗読のつどい 菊田氏講演、詩作への深い励ましを実感

 福島県民の現代詩の祭典「第37回 詩祭 講演と朗読のつどい」(第53回福島県芸術祭主催行事)を、平成26年10月19日(日)、福島市子どもの夢を育む施設「こむこむ」で開催しました。参加者は県内の福島県現代詩人会会員ほか一般入場者など約80人弱と例年並みにとどまりましたが、詩作による表現と交感の可能性を実感し合う、詩祭ならではの充実した一日となりました。
 なかでも、鬱屈しがちな現在の私たちの詩心を大いに鼓舞してくれた!──と感じられたのが、午前の部の講演をお願いした元日本現代詩人会会長・菊田守さんの講演でした。菊田さんは「皆さんと同じ席から」と客席に忍びそこから登壇、「詩を書くということ ─日常生活と詩─」と題して、なりきりの術(?)によって書かれた「かなかな」をはじめ、資料として提供された23編の作品誕生の機微を語り、背景としての日常生活から詩として浮かび上がってくる、その掬いとり方が幾重にもあることを確信させてくれました。さりげなく石原吉郎の「フェルナンデス」を引かれた心づかいも、深く心にしみました。 午後の部は、県内6地区の会員が「ふるさと」をテーマに書いた自作詩の朗読の集い。原発事故によって追われたふるさとから少子高齢化とともに自然消滅してゆくふるさとまで、福島の「ふるさと」はいま世界史的ともいうほどの振幅で、郷愁をさえふりきりそうに揺れています。朗読はそれぞれの地区ごとに、会員がとらえた地区の情況紹介をまじえながら、会員それぞれが抱く「ふるさと」を読み上げ、互いの詩作の足場を確かめ合いました。(福島県現代詩人会事務局長 渡辺孝行)

 

詩の世界に心を遊ばせて「第36回秋の詩祭」

 10月26日(日)午後1時より、千葉市民会館の地階小ホールで「千葉・県民芸術祭〜文化でつなぐ千葉のちから〜第36回ちば秋の詩祭」が開催された。当日は会員および会員外の詩の愛好者が千葉県内外から集まってくださり、昨年とほぼ同様50数名の参加で、熱気に満ちて盛会だった。
 冒頭に会員のご逝去を悼んで黙祷が捧げられた。会長挨拶は野村会長が自作詩「秋の詩祭に寄せて」を読み上げた。続いて主催の千葉県・県民生活・文化課副主幹福田誠氏と顧問の高安義郎氏がそれぞれ挨拶された。
 最初に会員による詩の朗読が行われた。朗読者は根本明、高橋博子、早藤猛、くろこようこ、山佐木進の5名。
 次に演題「戦後史について〜『荒地』の詩人たちを中心に」として、日本現代詩人会会員の平林敏彦氏が講演され、戦後の新しい詩を求めて詩人たちが過ごした青春を語られた。
 この講演の後、会場で同時開催されている詩画・詩書展の鑑賞の時間が取られた。
 最後は詩劇の上演。物語は「真間の手古奈と上総の末の珠名」で脚本は荒井愛子。演出は山中真知子。出演は神尾加代子、松田悦子、水崎野里子、金子仁、早坂猛、秋葉信夫、常松史朗、田村重子、高野利代。乙女の悲運が優雅に古代の動作と衣装に彩られて語られ、大正琴の効果音が雰囲気を盛り上げていた。
 終日、詩の世界に心を遊ばせた秋の一日となった。(嵯峨恵子)

 

長野県詩人協会「26年度詩人祭」開催 詩の遠近法―詩の発想と表現―菊田氏講演

 詩人祭は、11月9日(日)、上田市の「ささや」にて開催。出席者は34名。第一部は詩人賞の発表と表彰。四地区代表の朗読からはじまり、菊田氏の講演に入った。多くの会員の期待と支持を得ての企画であった。
 第二部は「昼食交流会」とソプラノ独唱。県詩協会員の詩2編を、ジャズピアニストの佐藤充彦氏が作曲されたものを、声量のあるはなやかに感情豊かに歌いあげていただき、皆、心から満足した。
 さて、菊田氏の講演内容について記しておきたい。まずはじめに詩の発想は、どんなときに浮かぶのか、そしてそれをどんなふうに表現されるべきか、からはじまった。
 村野四郎の「鹿」を例にとっての話は、わかりやすかった。「鹿は実は私の母なんです」と、四郎のご子息のエッセイ集「飢えた孔雀」━父村野四郎━の中で書かれている文章を紹介されて、「ひとつの思考というものがイメージを生む」という事をのべられた。つまり発想はこの詩の場合、村野四郎の妻が事故に遇うところを免れたという話を聞いて、人の生と死といったものを、鹿におきかえて、美しく表現されている、と菊田氏は話された。
 その上で詩は㈠体験・経験をそのまま描くものではなく、㈡音楽性をもって書き、さらに㈢美というものを意識して表現すること。この三つを常に念頭において詩作することが大切ではないかと、強調された。そして、単なる〈主張〉は詩ではないとも言われた。
 菊田氏が好きだという室生犀星の「退屈な舟あし」を全行朗読された。長男を亡くされた犀星のやるせない心を「煙草をひとつくらひ買って・・・」家に戻ってゆくといった表現のその絶妙な言葉使いを示された。こうした見落しがちな一行を大切に読みこむことの大切さを、あらためて学び直した気がする。それが書くことへとつながることなのだろう。90分が短く感じた講演だった。(事務局・平野光子)

 

「詩を楽しもう」山田隆昭氏講演 文化祭詩のつどい

 恒例の板橋区民文化祭「詩のつどい」が、秋晴れの10月26日、板橋区立文化会館で行われ、参加者は百名近くで盛況でした。
 開会の言葉は板橋詩人連盟会長・中原道夫。西岡光秋、菊田守先生祝辞のあと、坂本健板橋区長が多忙な日程を縫って来場。心こもった祝辞。選考委員長・内藤健治が選考経過を発表。受賞者は3名。八木清道に区長賞、河野昌子に区議会議長賞、上村節子に教育委員長賞が、坂本区長からそれぞれに手渡され、三氏めいめい受賞作朗読を行いました。
 記念講演は、日本現代詩人会前理事長・山田隆昭先生による「詩をたのしもう」。
 詩が大好きという先生が、山之口獏の詩などを引用しつつ、詩のおもしろさについて含蓄ある論を展開されました。
 この後、山本みち子さんら有志による詩の朗読。〝アカシア〟によるコーラス「そよ風をみんなの心に」。加藤孝信さんのギター演奏。連盟理事長・山川久三の閉会の辞。場を移しての懇親会で終了となりました。(山川久三)

 

詩のあそび「わくわくな言葉たち―東北の声」

 (日本現代詩歌文学館と会員の新井高子さんが企画、岩手県大船渡市三陸町・杉下仮設住宅地内のサポートセンターで「言葉で遊ぼう」をテーマに出前講座が開催された。仮設住宅居住者と近隣住民14名のほかセンターのスタッフ3名も参加した。) ◇
「わくわくな言葉たち」を企画して 新井高子

 6月に気仙沼、8月に宮古を訪ねたことがきっかけになり、被災した皆さんとつかのまでも爽やかな時を囲む企画が詩の側からできたら、と日本現代詩歌文学館に相談したところ、「ぜひ、やりましょう」と頼もしい返事。私はかねてより東北弁に魅了されていましたので、それを教われたらどんなに素晴らしいかという思いもありました。
 深い人生経験を積んだ皆さんに、こんな試みが受け入れられるか少し心配でしたが、11月22日に大船渡市三陸町の杉下仮設サポートセンターで第一回目を行ったところ、幸い、新鮮な面もあったか、石川啄木の短歌を大船渡弁に訳す遊びにわいわい取り組んでくださり、寺山修司作詞の歌も意味を味わいながら声を合わせて歌ってくださいました。最後に「ひとこと詩」の執筆をお願いしたところ、若かりし頃を思い出したと嬉しい感想を記してくださった方もありました。
 会場には『三・一一の詩人たち―こころの軌跡』(大船渡詩の会発行)に詩を寄せた野村美保さんもいらしていました。優れた詩が掲載された冊子ですので、日本現代詩人会の皆さん、ぜひご覧ください。
 詩のあそび「わくわくな言葉たち」の成果は文学館に展示し、次回は2月の予定です。
*『三・一一の詩人たち―こころの軌跡』はアマゾンでも購入可能。出版社は大船渡市の「イー・ピックス」(TEL0192-26-3334)

 

九州詩人祭大分大会

44回目を迎えた九州詩人祭が10月18日(土)、大分駅に隣接する「ホルトホール大分」で開催され、九州各地から100名が参加した。

 第一部では、別府市内にある立命館アジア太平洋大学学長の是永駿氏が「詩と詩人の運命」について講演した。是永氏は、中国語・中国文学が専門で、中国詩にも造詣が深く、有意義な講演だった。第二部はシンポジウム。「主知と抒情・大分県の風土と三人の詩人たち」をテーマに、亡くなられた滝口武士、八幡黎二、首藤三郎それぞれ個性豊かな創作活動、その生きざまを振り返った。
 大会開催に当たって、大分県詩人協会は、早くから実行委員会を立ち上げて準備を進め、会員の努力で大会成功につながった。
 なお27年の大会は鹿児島県で開催される予定。
(大分県詩人協会事務局長・池田京二)

 

筑後・詩の集い「詩人・野田寿子を読む」

 久留米連合文化会・福岡県詩人会筑後の共催で毎年開催している「筑後・詩の集い」。今年は「詩人・野田寿子を読む」をテーマに、11月30日(日)午後2時より久留米市立中央図書館で行なった。鳥栖市出身で詩誌「詩文化」や「母音」などに参加し、福岡県詩人賞や丸山豊記念現代詩賞を受賞、2012年に85歳で亡くなった詩人の、その人物像や作品について語り合った。参加者41名。
 第一部は「野田寿子先生との出会いと別れ」として熊谷紀代氏が、恩師として出会った高校の頃から、臨終の場に立ち会った悲しみまで、その人柄や言葉などを紹介。第二部は野田さんの詩を坂田トヨ子氏、大串朋子氏、石川希代子氏、おだじろう氏の四人が朗読。野田さん自身が朗読するCDも聴き、その詩に登場する旦那さん(上尾龍介氏)にも挨拶をいただいた。第三部は「野田寿子の詩をめぐって」として草倉哲夫氏に、初期から晩年までの野田さんの詩を詳しく説明してもらう。その後の質疑では作品の解釈について活発な意見が交わされた。(文責・働淳)

 

宮城県詩人会10周年朗読祭

「詩をつなぐ」をテーマに、仙台文学館の協力と仙台市市民文化事業団の後援で開催。第一部「東北の詩人たちの対話」では、照井良平(岩手県)、近江正人(山形県)、齋藤貢(福島県)の各氏を招き、原田勇雄(宮城県)も加わって、それぞれの地で詩を書く根拠について発言すると共に自作詩を朗読した。
 第二部「言葉を声にして届けること」は、フリーアナウンサーで、言の葉アーティスト・渡辺祥子さんのトークと朗読を楽しんだ。
 第三部「宮城県詩人会朗読」は、先達詩人の尾花仙朔さんから若い詩人の藤川みちるさんまで、多彩な詩人の朗読トパフォーマンスで盛り上がった。(尾花、藤川さん以外の朗読者)秋亜綺羅、大林美智子、佐々木洋一、佐藤洋子、日野修、前原正治さん。(原田勇男記)

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