会員情報

研究会の紹介

各地のイベントから(2015年6月20日受まで)

各地のイベントから(2015年6月20日受まで) 広島県詩人協会2015年度総会 「詩の心・ふるさと源流」川上氏が講演  2015年度広島県詩人協会総会及び講演会が、5月24日(日)午後1時半から、広島市内のホテルニューヒロデンで開催された。天気予報は雨だったので、出足が悪いのではと心配されたが、うれしいことに当日は快晴となった。  長津功三良会長の開会挨拶の後、議長に井野口慧子氏を選出。北村均事務局長による2014年度事業報告、万亀佳子会計担当幹事の2014年度会計報告、北川典子氏の監査報告と続き、役員選挙の経過報告が北村事務局長からあり、木村大刀子新会長から新役員の紹介がなされた。2015年度事業計画案が、豊田和司新事務局長から説明があり、続いて2015年度予算案が、伊達悦子新会計担当幹事から提示され、いずれも満場一致で承認された。参加者35名。  コーヒー休憩をはさみ、講演の部に移る。講師は川上明日夫氏。演題は「詩の心・ふるさと漂流」。鮎川信夫の出会いから説き起こし、彼の抒情の面に触れ、ふるさとの詩を書くことの意味を味わい深く講演された。  サイン会の後、同ホテルで懇親会が持たれ、和やかな内に会は終了。飲みかつしゃべり足らない若干名は、講師を担ぎ出し夜の巷に繰り出していった。 参加者24名。 岐阜県詩人会 第3回定期総会 「サクラ・さくら・櫻」松尾静明氏講演  5月31日(日)岐阜駅スクエアーGにおいて開催。参加36名  冨長覚梁会長から「詩人会ができて三年目を迎えた。我々一本一本の椎の木(県木)が集まって、森を作り上げた。詩人集を見ていると、その森の中を歩いているようで、森の深さを感じる。今年度も、お互いに切磋琢磨して、豊かな森を作りたい」と挨拶があった。  議案に移って、平成26年度事業報告・決算報告、27年度事業計画・予算案と滞りなく進み、理事の選挙結果の報告。今年度役員人事の提案があり、賛成多数で原案通り可決。その後、参会者の自己紹介を行い、お互いの親睦にもなった。 《記念講演》演題「サクラ・さくら・櫻」 講師 松尾静明氏  講演に先立ち、塗板に「わぁ!/あっ!/えっ!」と書いてある。講演は、この三つの言葉に、参会者が題名をつけることから始まった。参会者はとまどいながらも、それぞれが題名を発表した。このユニークな導入で、硬い雰囲気もほぐれたようだ。以下講演を要約する。  桜の歴史は、初め、稲作と結びついて吉凶を占っていたが、ぱっと咲いてぱっと散ることから、死のイメージが強くなり、その自然的情緒が軍国主義へと結びついていった。しかし、詩人は、自然的情緒に流されないで、冷静に見つめていくことが大切である。私の考える詩とは「プラスアルファーである」言い換えれば、そこに描かれた現実に、幾らかのものが付け加えられてできた新しい現実である。優れた詩には、それがどのような書き方であっても、現実を超えた新しい現実がある。分からないと言われる詩にも、やはりそれはある。例えば、西脇順三郎の詩「天気は」は、イメージを捉えたらそれで良いけれども、それだけで終わらない、研ぎ澄まされた知性の香りがある。それがプラスアルファーである。詩は、自分の言葉で書けと言われるが自分の言葉には、二つあって、一つは、その人独自のものの見方から生まれる言葉であり、もう一つは、詩を読んで感じた余韻とか、香りとか、雰囲気とか、考えたり想像したりする中で成立した言葉である。どうしたらプラスアルファーの部分を表現できるかといえば、「日常を超える」「ふつうを超える」「対象を超える」「自分を超える」ことである。この四つを行うことで、言葉が自分のものとなり、自分の風景を作り上げることができる。これまでの自分や感覚が考えたものとは違う、そこにプラスアルファーができるのである。    ***  分かりやすく丁寧な語り口で、具体的な作品からプラスアルファーを検証されて、聞く者の心に響くものが有った。それは参会した人たちの中に、プラスアルファーができたと言うことでもある。    (文責 佐竹重生) 埼玉詩祭2015 埼玉詩人賞贈呈 北畑光男氏講演  5月24日、埼玉詩人会主催、日本現代詩人会、日本詩人クラブ、埼玉文芸家集団後援による「埼玉詩祭2015」が、「生命を詩う塑象の構築」をテーマにさいたま市民会館うらわコンサートホールにて開催された。参加者は招待が20名、一般が15名、会員が68名と総勢103名となった。  第Ⅰ部の第21回埼玉詩人賞の贈呈式では、星善博選考委員長から「会員推薦を経て理事会から推薦のあった八冊の作品を審査した。最終選考では、峯尾博子さんの『交信』と、杜みち子さんの『ぱらっぱ ぱらっぱ』が対象となり、丁寧かつ慎重に審議を重ね、投票となり『交信』に授与されることになった。『交信』は行間を歩いていて、どこに連れて行かれるのかわからないスリリングな読みの楽しみを味わうことができ、今回の候補詩集の中で『交信』だけが持っている大きな特徴を評価した。  峯尾博子さんには高橋会長より賞状と副賞が贈呈され、峯尾さんからは受賞への謝辞と『交信』が上梓されるまでの経緯を語られた。また、所属する同人誌「晨」の代表である清水榮一さんから「受賞者の人と作品」と題して、峯尾さんの日頃の詩と向き合うひたむきな姿勢や作風などについて、ねぎらいのことばとともに紹介された。  第Ⅱ部では、日本現代詩人会理事長で元埼玉詩人会理事長であり、村上昭夫研究「雁の声」主宰の北畑光男さんが『ヴィアトール・村上昭夫の発見と問い』と題して講演された。学生の頃に村上昭夫の詩集と出会い、立ち読みの場で体の震えが止まらなくなり、その後の研究の契機になったと話され、昭夫の生涯と病の向こうに澄んだ詩の世界を描く作品の数々を紹介された。持ち込まれた昭夫の詩集は短時間のうちに売り切れ、聴衆の関心の高さを物語っていた。  第Ⅲ部では、『埼玉を謳う・美しい四季と虫の唄』―狩野敏也の詩による歌曲集より―と題して、日本歌曲振興会新・波の会埼玉支部の4名により演奏会が行われた。白小鳩の唄、音楽寺幻想など8曲が演奏された。 横浜詩人会セミナー「教科書と詩」高山利三郎氏が講演  横浜詩人会の第27回現代詩公開セミナーが、6月28日午後2時から同4時半まで、会員ら35名が参加して、横浜市中区の「野毛HanaHana(はなはな)」で開催された。講師は日本現代詩人会会員の高山利三郎氏。冒頭、中上哲夫横浜詩人会会長が挨拶、続いて高山氏が「教科書と詩」いうテーマでボードを使いながら講演した。  まず、ある女子高生の会話から中原中也の「汚れつちまつた悲しみに…」を聞いて、今でも中也は生きている、詩の一行でも子どもたちの心の中で影響を与えている、と語りかけて開始。今、教室の詩はどうなっているかという点では、教師は、詩は教材としては扱いにくい、どう教えていいか分からないと思っていることを示した。  続いて、詩の授業の実践例として、三好達治「雪」と津村信夫「冬の夜道」から読みと解釈について説明。二つの授業から、子どもたちからは「短い詩でも深い、想像することが楽しい。詩が好きになった。もっと読みたい」、教師からは「子どもの心の引き出し方がわかった。詩の見方が変わった」などの声があったことを紹介した。まとめとして「詩は子どもの感性と心を育てる。詩を読む人が増え、詩を書く人も出てくればと思う」と語った。  講演終了後参加者と活発な質疑応答が交わされた   (報告・光冨郁埜)

ページトップへ戻る