二〇二五年度通常総会を開催
二〇二五年度通常総会を開催二〇二五年八月二三日(土)午後一時一〇分より東京・アルカディア市ヶ谷五階「穂高の間」で二〇二五年度通常総会を開催した。
進行は、総合司会の浜田優理事、新井啓子氏の両氏。まずは講演者の木村哲也弥氏の略歴を青木由弥子理事が紹介。演題「大江満雄の対話の詩学」の講演(要旨は別頁)を拝聴した。
講演終了後、塚本理事長の開会の辞、郷原会長の挨拶後、議長団の選出を行い、岩佐聡氏、岡部千草氏が選出され、通常総会の議事を進行した。
二〇二四年度事業報告・収支決算報告・二〇二五年度事業計画案並びに収支予算案が、各担当理事より報告。名誉会員推挙、質疑応答、新理事の紹介で午後四時三〇分に総会を終了。「大雪の間」に会場を移し、懇親会を開催。午後六時三〇分に全日程を終了した。(記録・沢村俊輔 写真・福田恒昭)
![]() 郷原宏会長 |
![]() 塚本敏雄理事長 |

総合司会 新井啓子新理事 浜田優新理事
〇通常総会
初めに、本日の総会成立の可否について言及。塚本敏雄理事長より、本日の出席者数七三名、委任状数五三二通の合計六〇五名の報告があり、これは全会員数九三四名の三分の一(三一二名)を超え、本総会の成立を議長は確認した。
議事に入る前に塚本敏雄理事長が、物故会員二五名の氏名を読み上げ、郷原会長の発声のもと、一分間の黙祷を捧げた。
各担当理事から、通常総会議事資料に基づき、以下の報告(要旨)がされた。
【詳細は会員配布の「二〇二五年度通常総会招集のご通知」に記載ある「二〇二五年度通常総会議事資料」参照】

議長団 岡部千草氏 岩佐聡氏
Ⅰ 二〇二四年度の事業について
⑴会務一般
報告者は塚本敏雄理事長。月例理事会の開催、会員名簿の発行、詩集賞の運営について報告。
⑵先達詩人の顕彰
報告者は塚本敏雄理事長。
第四回理事会にて、以倉紘平氏、黒岩隆氏、八木幹夫氏を先達詩人として推挙決定。六月一日開催の「日本の詩祭二〇二五」で顕彰。
⑶会報の発行
報告者は浜田優理事。
一七六号~一七九号発行。各号の掲載記事について概略を報告。
⑷H氏賞・現代詩人賞の決定
報告者は渡辺めぐみ理事。
〇第七五回H氏賞
草間小鳥子氏
詩集「ハルシネーション」
〇第四三回現代詩人賞
秋山基夫氏
詩集「花下一睡」
選考から決定までの経過報告、六月一日開催の「日本の詩祭二〇二五」
において表彰した旨、報告。
⑸「現代詩二〇二五」(小冊子の発行)
報告者は松尾真由美理事。
H氏賞、現代詩人賞、先達詩人関連記事を掲載した旨報告。
⑹「日本の詩祭二〇二五」の開催
報告者は松尾真由美理事。
六月一日アルカディア市ヶ谷にて開催、詩祭の概略を報告。
一部 第七五回H氏賞贈呈式
第四三回現代詩人賞贈呈式
二部 講演 工藤正廣氏
演題 『詩人がロマンを書くとき―「ドクトル・ジヴァゴ」を巡って』
佐々木秀実氏による演目
「ピアフ・武満・トレネ
の世界」と題する歌唱
⑺現代詩ゼミナール&新年会
報告者は春木節子理事。
一月二五日(土)にアルカディア市ヶ谷(大雪の間)にて開催した現代詩ゼミナールの概略を報告。
・講演 広瀬大志氏
・演題「Magical Mystery Poetry」
・朗読 森永陽一郎・根本紫苑・
伊武トーマ・高貝弘也の各氏
プログラム終了後は、会場を「鳳凰の間」に移し、新年会を実施した。
⑻日本現代詩人会ゼミナール二〇二五in神戸並びに二〇二六in青森」
報告者は春木節子理事。
二〇二五年三月一五日(土)ラッセホール神戸ブランシュにて開催。
講演 蜂飼耳氏
演題「現代詩の宿命」
蜂飼氏と時里二郎氏の対談、詩人による朗読と盛況のうちに終了。
又、二〇二六年一〇月に、青森での開催が内定している。
⑼国民文化祭二〇二四
報告者は塚本敏雄理事長。
「第三九回国民文化祭」「第二四回全国障害者芸術・文化祭」は、「清流の国ぎふ」として二〇二四年一〇月一四日から一一月二四日まで岐阜県で開催。詩のコンクール「家族の絆 愛の詩」では、日本現代詩人会会長賞を郷原会長が授与。講演は北畑光男氏。詩の朗読もあり、盛況だった。二〇二五年度は、長崎県で開催予定である。
⑽国際交流
報告者は、野村理事に変わって渡辺めぐみ理事。
二〇二四年一〇月一九日(土)早稲田奉仕園に、米国の女性詩人アンバー・アダムズ氏を招き、講演、佐峰存氏との対談、自作詩朗読。参加者の多くが感動、特筆すべき交流会となった。
⑾入会審査
報告者は広瀬大志理事。二〇二四年度は、一六名の入会を承認した。
⑿各地活動への後援賛助
報告者は塚本敏雄理事長。全国の地方詩人団体から後援要請があり、理事会の承認決議を得て講師派遣を実施した。
⒀ホームページの運営
報告者は秋亜綺羅理事。
イベントの告知、各詩集賞速報、子どもの詩普及記事、投稿詩の入選作品の講評と表彰、全会員名の一覧の掲載等ホームページの充実に努めた。
⒁子どもへの詩の普及活動
報告は中島悦子理事。
現代詩普及のため、子どもたちへアプローチして、詩の裾野を広げる活動について以下のとおり、紹介した。
一、安西均を顕彰する会にて、福岡県 内で募集した子どもの詩を紹介。
二、浜松市の中学校で行われた谷川俊太郎や長田弘の詩に触れ、子どもたちの感性を育てる試みを紹介。
「清流の国ぎふ」で募集した詩のコンクールで、小学生の入賞作品の紹介。
以上、事業内容の報告について、満場一致で承認された。
Ⅱ会計関係
⑴二〇二四年度収支決算報告
報告者は根本正午理事。
会計業務は、年会費担当(青木由弥子理事)、運営費関係担当(根本正午理事)に分担して会計業務は行っている。
二〇二四年度会計は、会員数減少に伴う会費収入の減少、諸経費の値上げ等に対応するため、不必要な経費の削減を行ったが、赤字決算となった。
⑵会計監査報告
会計監査を実施した宮田直哉氏、鹿又夏実氏より、会計処理の適正が報告された。
以上の会計報告について、満場一致で承認された。
Ⅲ議案
⑴二〇二五年度事業計画(案)
報告者は塚本俊雄理事長。
二〇二五年度の事業計画案が説明され、満場一致で承認された。
⑵年会費・入会金に関する会則の改定について
塚本敏雄理事長から、入会金・会費
について、現行の会則に対する改正案が次のとおり議案提出された。
会則第12条
(現行) 会員は年額一万円(中略)を会費として納入する
(改正案)会員は年額一万二千円(中略)を会費として納入する
会則第13条
(現行) 新会員の入会金は三万円
(改正案)新会員の入会金は一万円
改定趣旨について塚本理事長より、次の説明があった。
「近年の会員高齢化による退会、御逝去による会員数の減少、物価高による経費増大も手伝い、財務が圧迫されている現状を鑑みると、入会者を増やすことが急務である。その際、入会金三万円+会費一万円の計四万円の納入を要す。しかし、若手詩人にとって四万円の経済負担は大きく、勧奨のマイナス要因となっているのが現状です。そこで入会勧奨を推し進めるにあたり、会則第13条の入会金三万円を一万円に減額し、物価高対策として、当会維持のために、第12条の会費一万円を一万二千円に改定したい。」
以上の改訂趣旨は出席者の賛同を得られ、当議案は満場一致で承認された。
⑶二〇二五年度収支予算(案)
報告者は根本正午理事。
二〇二五年度の収支予算案について説明を行い、満場一致で承認された。
⑷名誉会員の推挙
推挙者は郷原宏会長。
粕谷栄市氏の功績が紹介され、名誉会員へ推挙。満場一致で、名誉会員への推挙が承認された。
Ⅳ報告事項
⑴国民文化祭の今後の予定
報告者は塚本敏雄理事長。
・二〇二五年九月一四日~一一月三〇日
「第40回国民文化祭」
「第二五回全国障害者芸術・文化祭」
長崎県にて「ながさきピース文化祭二〇二五」というテーマで開催する。現代詩は「橋 つなぐ」というテーマで、二〇二五年一一月二三日に諫早市の文化会館において開催予定
⑵年会費収支状況
報告者は青木由弥子理事。
一、会費が滞納で消息不明の会員は、ホームページに情報提供の掲示をしており、掲載六ヶ月を経過しても消息不明の会員は、退会手続きの検討をする旨、報告。
二、二〇二五年度開始時点で、三年間滞納の会員は二二名の見込み。四~五年滞納会員は五名の見込み。六~一〇年滞納で退会処理相当の会員は五名。
三、会費納入時、払込用紙には、必ず、会員名、住所、電話を読みやすい文字で記入してほしいと要望があった。
払込書に、名前の記入がないなど、記入もれが散見されるという。
⑶慶弔関係
報告者は山田隆昭理事。
近年、介護施設等で生活される方が増え、訃報の情報収集が困難になりつつあるため、情報の早期連絡をお願い申し上げます。
⑷会員の入退会及び在籍数
報告者は沢村俊輔理事。
二〇二四年度の入会者一六名、退会者二七名、物故会員二一名。二〇二五年六月三〇日現在の会員総数九三四名。昨年同時期と比し、三二名減少。
⑸会員の近況
報告者は山田隆昭理事。
会員から寄せられた近況報告の一部紹介を行った。
以上の報告事項について、満場一致で承認された後、議長団解任。
最後に、新理事の紹介がなされ、塚本理事長の閉会挨拶で終了。場所を五階「大雪の間」に移し、懇親会へ移行した。
懇親会は、司会を黒崎晴臣、水嶋きょうこの両氏が担当。郷原会長の挨拶後、田村雅之氏の乾杯発声で開催された。スピーチされた方は、原詩夏至氏、高橋次夫氏、川中子義勝氏、江口節氏、犬伏カイ氏、佐々木貴子氏、椿美砂子氏、生野毅氏。
一年間の活動報告である総会が、満場一致で承認された後、美酒に酔いしれながら、懇親を深める会員達は笑顔にあふれ、最後は塚本理事長の挨拶で酒宴を締め、和やかに終了した。

新理事の顔ぶれ
(出席者)※敬称略
相原京子・青木由弥子・秋亜綺羅・天野英・雨宮汐里・新井啓子・磯崎寛也・岩佐聡・江口節・岡部千草・岡本勝人・小山田弘子・金子智・鹿又夏実・川中子義勝・北岡淳子・久保木宗一・黒崎晴臣・郷原宏・小林登茂子・斎藤菜穂子・佐川亜紀・佐々木貴子・佐峰存・沢村俊輔・塩野とみ子・州史・生野毅・鈴木東海子・鈴木正樹・曽我貢誠・高橋加代子・高橋次夫・田村雅之・塚本敏雄・椿美砂子・中島悦子・南雲和代・中地中・新延拳・根橋麻利・根本明・根本正午・野村喜和夫・原詩夏至・原田道子・春木節子・浜江順子・浜田優・広瀬大志・福田恒昭・吹木文音・外村京子・前田嘉代子・松井ひろか・松尾真由美・宮尾壽里子・三刀月ユキ・宮崎亨・宮田直哉・水嶋きょうこ・宮本苑生・山田隆昭・渡辺めぐみ・渡ひろこ

総会風景
















