• 日本現代詩人会創立70周年記念事業プレイベントふくい県詩祭in三国のこと

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日本現代詩人会創立70周年記念事業プレイベントふくい県詩祭in三国のこと

日本現代詩人会創立70周年記念事業プレイベントふくい県詩祭in三国のこと
                  ふくい県詩祭事務局長  金田久璋

講演する倉橋健一氏
講演する倉橋健一氏

 

 まずは今回の詩祭の開催にあたって、多大なご指導とご協力をいただいた日本現代詩人会をはじめ、関係各位に深く感謝を申し上げたい。
 のっけから、『福井新聞』(11月6日付)の文化欄の記事を引く。「『三好達治が唱えた天皇退位論の発言は三国での議論。文学史に残る重要な話で、地域での結びつきで言えば、こういうことこそ全国にアピールすべきだ』。『地方主義』をテーマに10月26日、坂井市三国コミュニティセンターで開かれた『ふくい県詩祭in三国』。基調講演に立った詩人倉橋健一さんは強い口調でこう提言した」。令和天皇の即位で国中が沸き立つなか、いささか物騒な物言いめくが、要は地方にあっても普遍性をないがしろにせず、現実直視を抜きにして現代詩の活性化は望めないということ。傾聴すべき提言である。翌日の「三国文学散歩」の通り、日本海に面した九頭龍川河口の港町三国が多くの文学者を輩出した詩的トポスとして、「国民詩人」三好達治が残した影響を主軸に、講演の課題を受け「詩の地方主義」をめぐって鼎談(司会・佐野周一)が行われた。
 張籠二三枝氏からは三好の来福の経緯、川上明日夫氏からはいわゆる「則武学校」と呼ばれる三好の弟子、則武三雄の影響下に出立した詩誌『木立ち』の詩業と、もっぱら「生と死」をみつめる「福井抒情派」の成果、金田からは県内における各エコールの詩活動、岡崎純の「寓喩」の発見など地方からの発信をめぐって言及。また、三好達治「雪」をめぐって広部英一の定住の文学からの批判についても、各自の意見を述べたものの、時間切れとなり「詩の地方主義」については今後一層の論究が望まれる。
 また、今回「詩のコンクール」の募集が行われ、優れた作品が多く寄せられた。とりわけ、小学校の部の日本現代詩人会賞を受賞した中野在さん、高校生の部の中島明日香さんの詩に天与の才を感じた。中島さんは私どもの「詩の出前授業」の生徒であり、ようやく現代詩の後継世代が育ちつつあることに期待を寄せたい。

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