日本現代詩人会とは

ごあいさつ

2017年

新会長のごあいさつ 会長:新藤凉子

 今年は天候不順、台風による水害その上、この原稿を書いている9月28日には、衆院解散ということになってしまいました。
 北朝鮮はミサイルを海の中に発射させて恫喝するし、デフレは脱却していないし、本当に私たちを取り巻く環境は険しいようです。この本が皆様に届く頃には政権も定まっていると思います。
 そのような祈りに、会長の任務を引き受けざるを得なくなりました。どなたもお断りになったからだと思います。私も何回もお断りしているうちにフッと気づきました。
 なにも皆様のお役に立つようなことをしてもいないのに、先達詩人という名誉を授けてくださったり、病気をしたり、身内を失って心細い折りには、心優しくいたわってくださったのは、おおくの詩人たちでした。

 

 恩を忘れたらいけません。

 

 これは生前の大岡信さんがおっしゃったお言葉です。それに周りを見回すと理事長をはじめ私より有能な方ばかり、思い悩むことはないのでした。
 私たちの先輩、草野心平さんが常にモットーにされていたお言葉。

 

 われわれはわが国の詩を、
 常に世界的立場において思考し、
 旗も党ももたず、
 詩自体の中に没入します。

 

 私なりに、投票はしますが、この会に政治は持ち込みません。森のなかをわたって行く風のように、癒される会の手助けをしたいだけです。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

成長する詩人会のために 理事長:秋亜綺羅

 日本現代詩人会のHPも新装開店して1年以上が経ち、ずいぶん形が整ってきました。
 会員同士の情報通信だけにとどまらず、ことば、詩、文学に興味ある若い人たちに刺激を与えようと、HPの編集方針は決められていくようです。
 投稿欄の開設もそのひとつです。すでに多くの新鋭が誕生しています。
 また日本現代詩人会では、入会を希望する詩人を募っています。詩人会に新しい風を吹き込んでください。大歓迎です。
 入会をまだ迷っている、未来の会員も多いかと思います。疑問でも要望でもぜひ、ぶつけてください。メールでも、電話でも、FAXでもかまいません。待っています。
 会員のみなさま。3年後には、日本現代詩人会も70周年を迎えます。新藤凉子会長、山本博道副理事長、菊田守・以倉紘平両総務、イベント総括の一色真理理事、広報総括の山田隆昭理事ほか、理事全員の力を借りて、成長する詩人会でありつづけたい。
 会が存在するから、会員がいらっしゃるのではありません。一人ひとりによる詩人としての自覚と誇りが集まって、はじめて日本現代詩人会があるのだと、わたしは信じます。
 気候も世情も不気味な昨今です。
 けれど文化も、詩も、進化が止まる時などないでしょう。
 各位のご健康と、ご健筆を祈念いたします。

ごあいさつ 副理事長:山本博道

 ここ何年も、詩や文章を書くことから遠ざかっていました。時間のある時は一人でアジアの国々に出かけ、夜のバザールを覗いたり、大河の風に吹かれたり、戦争や紛争の爪痕をめぐりながら、写真を撮ったりしていました。ですから、こうして人の目に触れるような文章を書くのも、いつ以来のことか、思い出せないほどです。
 五年ぶりに理事に選ばれ、まだ、じぶんにもできることがあるだろうかと思いつつ、引き受けさせていただきました。どの世界も避けられない高齢化の波ですが、日本現代詩人会も若い人たちにもっと関心をもってもらうことが大事です。そのために、じぶんは何をしたらいいのか。
 新藤凉子会長、秋亜綺羅理事長はじめ、長年の経験を積んで熟達した理事たちとともに、会員の声も聞きながら、少しでも当会の「明日」への力になれたらと思っています。どうぞよろしくお願いします。

 


2016年

新会長のごあいさつ 会長:以倉紘平

会長:以倉紘平  会報が出る頃は、日本列島の北国では紅葉の季節ではないかと思います。ハプニングが重なって、私ごときが会長の任務を引き受けざるを得なくなりました。歴代会長の赫赫たる詩歴を思いますと、身が縮む思いですが、もう逃げる訳にはいきません。新延理事長を始めとする有能な理事各位と協力し合って、なんとか努めさせて頂く覚悟ですので、会員の皆様には、何卒よろしくご支援のほどお願い申し上げます。
 会長職が(箱根を越えた)のは小野さん以来だと関西の詩友から言われましたが、私には、 日本の抒情詩についての確固とした見識の持ち合わせはありませんが、本居宣長の『うひ山ぶみ』の次の言葉は、大切にしています。本居さんは、古来日本人は、誰でも(うた)を詠んだと言い切っています。
 (すべて人は、かならずうたをよむべきものなる内にも学問をする者は、なほさらよまではかなはぬわざ也・・)
 学者はもとよりうたはすべての日本人にとって、溌刺たる心そのもの、健やかで自然な呼吸そのものだったようです。うたによって、万象に挨拶し、祈り、死者に、生者に話かけていたのです。今日の日本で、何故(うた)離れ、現代詩離れが生じたのか、考えるべき時が来ているのではと思います。
 私は沖縄の詩と関りをもって長いのですが、沖縄詩の背後には、島の大自然、神々、ご先祖、名もなき無数の島人の力が、詩人の背中を押していると感じます。単独者として、孤軍奮闘されている都の詩人は、とても辛そうに見えます。来年の沖縄ゼミナールの宣伝になってしまいましたが、各地方の生活と文化には、詩歌の現状を打開する力があるように思えてなりません。

現代詩よ、元気あれ 理事長:新延 拳

理事長:新延 拳  「どうも現代詩に元気がないようだね」という言葉を聞くようになってだいぶ経つ。それを昨今では、他の俳句や短歌などの短詩型文学の人たちから聞くようになった。これにはいささかがっかりする。俳句や短歌が若い人にも注目され広まってきていることに関係しているのではないかと思う。例えば俳句を例にとると、芭蕉の遺語として有名な「俳諧は老後の楽しみ也」を引くまでもなく、以前はどちらかというと老人の文学として認識されていたのではないか。その結果、超高齢化に伴う商業誌の廃刊・大幅部数減、結社の先細り等々の具体的問題が顕在化していった。俳句界は一時この超高齢化ということに大変な危機感を感じ、俳句という詩型の死活問題として捉え、あらゆる啓蒙活動を行った。大盛況の俳句甲子園、学校の教師に対するセミナーをはじめとするきめの細かい手当など。現代俳句協会もインターネット俳句会を行うなど若者向けに新しい分野に進み、若い俳人を発掘する努力を重ねてきている。もちろん俳句界や短歌界の方法をそのまま取り入れる必要はないが、さて現代詩の世界はどうであろうかと考えざるをえない。
 現代詩人会は、先人のご努力により誇るべき伝統を重ねてきている。しかしながら、年齢構成を考えると五年後十年後には一体どうなっているのだろう。伝統に安住するだけでは未来が展望できない。また、次の世代にきちんと引き渡してゆく責務もある。今理事会では、何とか多くの若い人にも現代詩人会もっといえば現代詩そのものに興味を持っていただけるよう一歩でも前進していきたいと考えている。

副理事長就任の挨拶 副理事長:田村雅之

副理事長:田村雅之  久しぶりに会の理事に選ばれました。夏の終わりの総会の席で、新任のご挨拶をして、さて今回はどんな役を引受けようかと迷っていたのでした。
 理事会が九月七日に開かれましたが、あいにくわたしはイタリア・フィレンツェに所用で出かけていて出席かなわず、すべてを議長一任、ということにしました。
 帰国すると、副理事長をということでありました。
 二〇〇九年から十一年に、同じく副理事長を仰せつかり、多少なりとも経験がありますので、今回も駑馬に鞭打つ働きをと、粛然とお受けした次第です。
 以倉会長、新延理事長を補佐し、会の発展に努めていきたく思います。皆様方の一層のお力添えをお願いし、新任のご挨拶に代えさせていただきます。

ページトップへ戻る