詩投稿結果発表

投稿数265作品。投稿者160人。多くの方にご投稿いただきありがとうございました。詩投稿第7期(10-12月)の選評および入選作をご紹介いたします。

詩投稿

H氏賞受賞者や日本現代詩人会の会員たちが詩編のアドバイスをいたします。

1期一人3篇までの投稿で、3ヶ月毎に選考し、入選作を選評とともに公開します。

第9期選者(4月〜6月)
・金井雄二氏

金井雄二氏
・中島悦子氏
中島悦子氏

詳しくは投稿規定をご参照ください。皆様のご投稿をお待ちします。

日本現代詩人会とは

この会は日本の詩人の権益を団体的に守り、現代詩の普及発展のために協力し、国際的活動を推進し、詩人相互の親睦をはかることを目的としています。

日本の詩祭2017・詩集賞の朗読

「詩投稿 第7期」入選作品紹介
Topページに入選作の中から公開します。

詩のすすめ――石澤 紀

 

私は散歩に行ったとき
いいな、と思った風景は写真に収める
群青の空に光を浴びた清々しい山々
白練のそば畑と黄金の田んぼが織りなす絨毯

 

そして
とん、と胸をうつ生き物たちも
大きな葉にたたずむかえる
枯れた雑草に群がるとんぼ
小川の淵を上るかまきり

 

私はこうして
日々の思い出を切り取って保管しおくのだ
そして後から取り出して
過去の中から引っ張り出した記憶と混ぜて
風味を感じ、甘いお菓子のように貪るのだ

 

でも

 

撮った写真を見返すと
心に妙なひっかかりができる
同じ物を見たはずなのに
そのまま切り取ってきたはずなのに
こんな風景だったろうか?
こんな印象だったろうか?
私はこのとき、何を思っていたのだ?

 

散歩に行った証拠は残しても
その証拠の中に私は入っていなかった

 

写真は
いかに正確に風景を切り取ろうとも
そのときの感動までは切り取れない
だって、風景を見て感動しても
その感動は風景だけじゃ語れないでしょう?

 

そういうとき
私は詩を書くことに決めている
たとえ言葉はつたなくとも
たとえ感動を言い尽くせなくとも
心から出てくる言葉を連ねたら
そうしてできた詩というのは
そのときだけの思い出にとどまらない

 

後になって詩を見返して
そのときの感動と
そのときの私自身を
過去からいざなってくるのだ

 

そしてそのときの
ちょっとした鼻唄とか
たそがれたい気分とか
将来への不安とか
誰にも話したことのない
自分の中で温めつづけている夢までも
心の中で包み込んで
ゆっくりと抱いてやるのだ

 

そうして彩っていく人生を
ゆったりと楽しんでいけば
いつか、幸せになれるような気がするのだ

イットロベーガ ヒッツイタ――みごなごみ

 

イットロベーガ ヒッツイタ イットロベーガ ヒッツイタ

 

母親が 老婆になって
イットロベーガ ヒッツイタを口にだす

 

蛇口しかない部屋に住んでいる母親の
服に、口に、イットロベーガ ヒッツイタ

 

そして、その日、気分屋になっている老女
そして、それから、天気予報をかきあつめようとする老女

 

イットロベーガ ヒッツイタ イットロベーガ ヒッツイタ

 

イットロベーは とれないよ イットロベーは めんどうだ

 

秋がくっついて、オ腹ト背中ガ・・・
お腹は忘れている、背中は曲がっている

 

幼児をさわる 幼児をなでる 三輪車に乗せてやる

 

ああ、老婆には、サドルという言葉は もうなく、
とにかく、「スワル・トコロ」「スワル・トコロ」と繰りかえす

 

スワルトコロにおさまって、すすませる、秋をすすむ

 

車輪のまわるのに腰をあわせている老婆と、ペダルに足が、
ついたり はなれたり

 

ソレジャア イケンガ ソレデ エエンジャガ

 

そこだけが、しっかりとした声 そこだけに、しっとりとした声

 

母サン ボクノモ コウシテ 押シテクレタンデスネ
ぼくの幼年がいう、足首が幼年になる

 

空ガ 見エナクナルクライニ ワタシヲ ツカンデクダサイ
ドウシテ白濁ノ オシロイヲ 塗ッテイルノデスカ
「しづかに彼の耳に聞こえてきたのは、それは谺になつた彼の叫声であつたのか、または遠くで、母がその母を呼んでゐる叫声であつたのか。」

 

画素が減ってゆき 風景が ゆすられ

 

じゃねる じゃねる ねこじゃらし
車輪は通過する、小さな目は欲しがっているのに

 

イットロベーガ ヒッツイタ イットロベーガ ヒッツイタ

 

そっと、折り紙のカタチを 皺が出す
ソレハ ナニ

 

やがて ぬっくりと 道なりをくねって坂道を上がり、
やがて 羽根の人がやって来て、やがて 蛇口のに送る

 

背をさすり、白髪に手をとおし、
イットロベーを 指先でとって、あげる・・・あげる

 

イットロベーガ ヒッツイタ イットロベーガ ヒッツイタ

 

 

*詩の中の引用(「しづかに彼の耳に・・・」)は、三好達治『測量船』より

第68回H氏賞・第36回現代詩人賞決定のお知らせ

2018年3月3日午後1時から、東京・早稲田の早稲田奉仕園セミナーハウスにおいて、選考委員会が開かれました。詩壇の芥川賞とも呼ばれるH氏賞と、中堅以上の詩人に贈られる現代詩人賞が決定致しました。
 授賞式は5月27日㈰午後1時から、東京・飯田橋のホテルメトロポリタン エドモント(千代田区飯田橋3-10-8 TEL03-3237-1111)で行われます。

2018年度 第68回H氏賞(賞金50万円及び記念品)
●授賞詩集 『銘度利加』(思潮社)
●受賞者 十田撓子(とだ・とうこ)

選考委員 ◎浜田優 石田瑞穂 伊藤浩子 片岡直子
高橋玖未子 たかとう匡子 菊田守(◎印 選考委員長)

2018年度 第36回現代詩人賞(賞金50万円及び記念品)
●受賞詩集 『一面の静寂』(舷燈社)
●受賞者 清水茂(しみず・しげる)

選考委員 ◎野沢啓 金井雄二 國峰照子 黒岩隆
須永紀子 高岡修 塚本敏雄(◎印 選考委員長)

問合せ先 詩集賞担当理事 中本道代 携帯090-8582-7563  FAX03-5301-0857
日本現代詩人会事務所(理事長・秋亜綺羅宅)
〒980-0801仙台市青葉区木町通2-6-53あきはビル4F  携帯080-4408-6485

日本の詩祭2018 5月27日(日)開催 「一生忘れない、一行の詩を見つけよう。」 実行委員長 一色真理
●日時 5月27日(日) PM1時開演(0時開場)
●会場 東京・飯田橋 ホテル・メトロポリタン エドモント2F
●会費 詩祭:会員無料、一般1000円  懇親会 6000円
 
例年6月に行われていた日本の詩祭が今年は5月27日(日)に、東京・飯田橋のホテル・メトロポリタン エドモントで開催されます。会の創立当初、「5月の詩祭」としてスタートした「日本の詩祭」がいわば出発の原点に回帰。内容もこれまでとはひと味違う、爽やかな初夏の季節にふさわしい新鮮なプログラムとなっています。  第一部はH氏賞、現代詩人賞の贈呈式と先達詩人への敬意。H氏賞受賞者の十田撓子さんは秋田在住の41歳。受賞詩集『銘度利加』は第一詩集であり、詩壇への登竜門にふさわしいフレッシュな受賞者の誕生となりました。一方、現代詩人賞受賞者の清水茂さんは80代のベテラン詩人。新人発掘を目的とするH氏賞と、中堅以上の詩集を対象とする現代詩人賞という、賞の性格が鮮明に打ち出されました。また、先達詩人に選ばれた八木忠栄さんは詩人としてはもちろん、若き日は「現代詩手帖」の名編集長として活躍されたのはご存知の通りです。  第二部は「日本現代音楽協会」との共同企画によるトーク&コンサート「現代詩と現代音楽の出会い」。日本を代表する作曲家と演奏家たちによる、現代音楽の本格的コンサートをお楽しみください。新藤凉子会長の作品をはじめとする現代詩をテクストとした、本詩祭のための書き下ろし歌曲も初演されます。  終演後は恒例の懇親会。現代音楽の作曲家、演奏家たちも参加します。全国の詩人たちが一堂に会する年に一度の機会です。皆様お誘いあわせの上、ぜひご来場くださいますよう、お願い申し上げます。
◆プログラム 司会 望月苑巳 藍川外内美
【Ⅰ部】贈呈式・先達詩人の顕彰   
開会のことば 理事長 秋亜綺羅
★第68回H氏賞贈呈 選考経過報告 
選考委員長 浜田 優
H氏賞贈呈 会長 新藤凉子
受賞詩集『銘度利加』について 林 浩平
受賞のことば 十田撓
★第36回現代詩人賞贈呈
選考経過報告 選考委員長 野沢 啓
現代詩人賞贈呈 会長 新藤凉子
受賞詩集『一面の静寂』について 北岡淳子
受賞のことば 清水 茂
★先達詩人の顕彰
先達詩人への敬意・記念品贈呈 会長 新藤凉子
先達詩人のことば 八木忠栄
★詩朗読 H氏賞受賞詩集『銘度利加』より 十田撓子
現代詩人賞受賞詩集『一面の静寂』より 清水 茂
【Ⅱ部】現代詩と現代音楽の出会い ~共同企画:日本現代音楽協会~
★トーク 言葉と音楽のあいだで 
近藤 譲(作曲家) 松尾祐孝(作曲家) 一色真理(司会)
★現代音楽コンサート 
*は本詩祭のための書き下ろし初演作品
福士則夫: 手のための〈ていろ〉 
打楽器:古川玄一郎 戸崎可梨 小川理仁 細野幸一
橋本 信: 犀川(詩:室生犀星) 
ソプラノ:工藤あかね ピアノ:中川俊郎
橋本 信: 町(詩:一色真理)*  
ソプラノ:工藤あかね ヴァイオリン:甲斐史子
蒲池 愛: 風の城(詩:新藤凉子)* 
バリトン:松平 敬  ピアノ:中川俊郎
小川 類:《NUBATAMA》(詩:北夙川不可止)* 
ソプラノ:工藤あかね バリトン:松平 敬  
ヴァイオリン:甲斐史子 ピアノ:中川俊郎
松尾祐孝: 季寄せ(俳句:松尾高清)
バリトン:松平 敬 ヴァイオリン:甲斐史子
閉会のことば 実行委員長 一色真理
*懇親会* 
司会 佐相憲一 山中真知子
開会のことば  会長 新藤凉子
来賓挨拶・乾杯・遠隔地会員のスピーチ・ 新入会員紹介等
閉会のことば 副理事長 山本博道
《日本の詩祭2018実行委員》
一色真理(委員長)・山本博道(担当理事)・秋亜綺羅・麻生直子・以倉紘平・菊田守・鈴木豊志夫・塚本敏雄・中本道代・浜江順子・春木節子・光冨郁埜・山田隆昭・渡辺めぐみ(以上理事) 藍川外内美・青木由弥子・秋山公哉・朝倉宏哉・池田康・伊藤悠子・伊武トーマ・海埜今日子・大木潤子・岡田ユアン・岡野絵里子・尾世川正明・小野ちとせ・小林登茂子・斎藤菜穂子・坂多塋子・佐相憲一・沢村俊輔・柴田千晶・杉本真維子・鈴木茂夫・滝川ユリア・竹内美智代・中井ひさ子・根本明・平井達也・広瀬弓・松尾真由美・宮園真木・望月苑巳・森野満之・森水陽一郎・山中真知子・山本聖子・渡ひろこ
■ホテルに宿泊される方へ 
予約・問合せ 03-3237-1111
*ホテル予約係に「詩祭参加者」と必ず告げてから予約相談してください。
*特別料金(税金・サービス料込み)  シングル12,000円~、ツイン・ダブル 16,000円~19,000円 *朝食は2,200円(税金・サービス料込み)

研究活動

詩界ニュース
詩界ニュース(2018年3月20日受まで)最終更新日 2018/5/13
催し・イベント
日本の詩祭2018 5月27日(日)開催!!最終更新日 2018/4/5

日本現代詩人会刊行本


  • 資料・現代の詩2010

  • 国際交流ゼミナール

  • 2015現代詩

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