研究活動・親睦

東・西日本ゼミ、新年会

2017年度通常総会を開催

2017年度通常総会を開催

 日本現代詩人会の2017年度通常総会が8月26日(土)午後1時30分から、早稲田奉仕園スコットホールで開催された。
 議事に先立ち、細見和之氏が「60年後に読む、黒田喜夫「ハンガリヤの笑い」を講演(詳細は別ページ)した。講師の紹介は司会の岡島弘子理事が行った。
 講演が終わった2時から、議事が始まった。総合司会は北畑光男理事、岡島弘子理事。開会の辞は新延理事長で「会の財政も厳しいが、次の世代に引き継いでいくことを考えていきたい、その中で一部規約改正もあります」と述べた。以倉会長は挨拶のなかで、北朝鮮のミサイル問題について触れ、「そのような状況の中でも、詩人会として自分たちは一つひとつやることをやっていくしかない」と述べた。その後、議長団として塚本敏雄氏と小林登茂子氏が選出された。
 北畑理事から、会員の出席は73名、委任状663名で、合わせて736名となったことが報告された。規約改正があるので、3分の2を超えることが必要だがそれに達したので、総会は成立することとなった。
 新延理事長によって前年度総会以降、今年7月までに逝去された会員の名前が読み上げられ、以倉紘平会長の「黙祷」の発声により物故者に黙祷を捧げた。

以倉会長と新延理事長


名誉会員に安藤元雄氏

 ご挨拶
安藤元雄
 名誉会員に推されたのは、私にとっては名誉なことですが、逆に会にとって不名誉な結果になりはしないかと思うと、気の重いことでもあります。今後はずっと発言や態度に気をつけて生きて行かなければならないと思うからです。
 六〇年あまり詩を書いたり、詩について考えたりしてきましたが、自分でもこれでいいと思えるような仕事ができたのはほんのわずかしかありません。とりわけ最近は、年令のせいもあると見えて、詩をどう書くか、どう読めばいいかが、正直だんだんわからなくなって来たような気さえします。
 そういう折なので、手厚い敬意のこもった称号をいただいても何だか面映いばかりですが、かといっていまさら新しく何ができるのか、心もとない次第です。しかし、ご好意は身にしみます。ありがとうございました。

[略歴]
 一九三四年(昭和九年)三月十五日、東京生まれ。東京大学仏文科卒業。時事通信社勤務ののち、國學院大学助教授、次いで明治大学教授となり、現在明治大学名誉教授。日本フランス語フランス文学会、日本文芸家協会各会員。日本現代詩歌文学館振興会副会長。日本近代文学館監事。二〇〇五年から二〇〇七年まで日本現代詩人会の会長をつとめた。詩集に『水の中の歳月』(高見順賞)、『夜の音』(現代詩花椿賞)、『めぐりの歌』(萩原朔太郎賞)、『わがノルマンディー』(詩歌文学館賞・藤村記念歴程賞)、『樹下』など。評論に『フランス詩の散歩道』、『フーガの技法』など。翻訳にボードレール『悪の華』、グラック『シルトの岸辺』、『シュペルヴィエル詩集』、オペラ台本『カルメン』、『ホフマン物語』など。編著(共編)に『堀口大學全集』、『齋藤磯雄著作集』、『立原道造全集』、『フランス名詩選』などがあり、共同監修に『現代詩大事典』がある。紫綬褒章、瑞宝中綬章を受賞。


60年後に読む、
黒田喜夫「ハンガリヤの笑い」
細見和之氏講演

 ここにお集まりのみなさんは、もちろん黒田喜夫の名前をよくご存知だと思います。一九二六年に山形県に生まれた黒田は、若いころから肺結核という重い病気を抱えながら、優れた詩を書き続けました。とりわけ、「ハンガリヤの笑い」、「毒虫飼育」といった代表作は、詩によってこのような表現が可能なのだということを、私たちに鮮烈に指し示してくれています。
 「ハンガリヤの笑い」の初出は『現代詩』一九五七年二月です。ですので、今年は「ハンガリヤの笑い」が発表され、日本の読者の目にとどいて、ちょうど六〇年ということになります。残念なことに、黒田喜夫の早過ぎる晩年にあたる時期、日本の詩の世界のなかで、黒田は孤立していました。それで、その死に際しても、目立った追悼特集は組まれませんでした。そんなことも踏まえて、六〇年後のいま、「ハンガリヤの笑い」は私たちにどのような印象をあたえてくれるか、ということを、みなさんと一緒に考えてみたくなりました。
 この作品の末尾には「1956年12月」という日付が書き込まれています。雑誌の「編集後記」でも、二月号の原稿は年末、一二月の段階で入稿した旨、記されています。「ハンガリヤの笑い」が主として描いているのは「ハンガリー事件」ですが、それは一九五六年一〇月二三日から一一月三日にかけて、ハンガリーの首都ブダペストで生じた事件です。つまり、黒田喜夫はあの出来事にほぼリアルタイムで向き合う形でこの作品を書いたことになります。
 作中に登場する「ラコシ」は当時ハンガリーで独裁的な権力を振るっていたスターリン主義者、一方「ナジ」は民衆に人気のあった政治家ナジ・イムレです。また「ホルチ」はハンガリーの軍人政治家ホルティ・ミクローシュのことで、反革命派のシンボル的人物です。
 それでは「ハンガリヤの笑い」を読んでみます。〔「ハンガリヤの笑い」朗読〕。
 まずもって鮮烈なのは、黒田がここで「ぼく」をつうじてブダペストで民衆によって吊るされる側に身を置いている、ということです。実際にその出来事は一九五六年一〇月三〇日に生じました。その日、秘密警察員や党書記らが民衆によって殺され、街頭に吊るされるという事態が発生しました。
 黒田はその報道に接したとき、そこで吊るされているのは自分だ、という直感に貫かれ、その直感をこの一篇の詩にまで仕上げたのだと言えます。黒田は若いころから優れた映画評を書いていましたが、そういう映像的な感覚も生きています。さらに後半では、吊るしているのも自分だという感覚が被さっています。
 あの事件に接して、吊るされているのも、吊るしているのも自分だという形で受けとめた表現者が世界中でどれだけいたか。
 ハンガリー事件を描いた評論の代表に、サルトルの「スターリンの亡霊」があります。あの長編評論もハンガリー事件をほぼリアルタイムで受けとめたものです。つまり、黒田とサルトルは同時期に、一方は詩で、一方は散文で、あの事件について力一杯語っていたことになります。しかし、サルトルの評論に、吊るされているのも吊るしているのも自分だという感覚はまったくうかがえません。あくまで傍観者的な批評者の立場です。
 そのこともふくめて、「ハンガリヤの笑い」は、詩の抱えている容量がどれだけ大きなものでありうるか、そのことを如実に示した作品だと私はあらためて思います。


報告、提案、議論――総会の討議内案

Ⅰ総会承認事項(各担当理事報告)
 議事の承認報告、議案などは総会資料を元に各担当理事から報告で進められた。その概要は次の通り。

1 会務一般について(新延理事長)
 2016年度の理事会は早稲田奉仕園セミナーハウスにおいて開催した。理事会はインターネットも含め12回開催(インターネット理事会は2回)した。なお、理事会議事録は、中本道代理事が毎回作成した。理事会への各理事の出席率も高く、重要事項の決定、各行事もスムーズに進んだ。
 会員名簿は中本道代担当理事と新延拳理事長、田村雅之副理事長が担当し、12月1日現在の在籍者により発行した。広告は20社(前年度より1増)、広告収入は44万円の協力があった。
 詩集賞の詳しい選考経過は日本現代詩人会発行の冊子『現代詩2017』において発表した。
2 先達詩人の顕彰(新延理事長)
 菊田守氏、木村迪夫氏、財部鳥子氏。6月18日の「日本の詩祭2017」において顕彰。顕彰状と記念品およびお祝い金を贈呈した。
3 会報の発行(斎藤理事)
 144号から147号まで発行した。144号(2016年10月)2016年度通常総会、懇親会報告。総会での講演 暮尾淳氏の「戦時下の三人の詩人」。新名誉会員 尾花仙朔氏 堀場清子氏の紹介他。
145号(2017年1月)以倉会長年頭所感 第67回H氏賞 第35回現代詩人賞の選考委員決まる。両賞への投票呼びかけ。先達詩人紹介(菊田守氏 木村迪夫氏 財部鳥子氏)。三氏の略歴と挨拶。東日本ゼミナールin宮城報告他。
146号(2017年4月)第67回H氏賞 北原千代氏 第35回現代詩人賞 中村稔氏の選考経過報告と両氏の略歴と受賞のことば。「現代詩ゼミナール東日本と新春のつどい」報告。ゼミナールの講演――小池昌代氏「サネトモさん」。管啓次郎氏「動物のいのちからリワイルディングへ」。西日本ゼミナールin高知の報告。日本の詩祭2017プログラム他。
147号(2017年7月)日本の詩祭2017報告。日本の詩祭会員出席者。新理事開票結果。国際交流ベトナム2017報告他。
4 H氏賞・現代詩人賞の決定(秋理事)
 第67回H氏賞の選考委員は八木忠栄、岩佐なを、高柳誠、水野るり子、峯澤典子、杉本真維子、浜江順子各氏。第35回現代詩人賞の選考委員は倉橋健一、安藤元雄、川島完、新藤凉子、時里二郎、岡島弘子、鈴木豊志夫各氏にお願いした。投票管理委員は、鈴木昌子、花潜幸各氏にお願いした。
 第67回H氏賞には北原千代『真珠川 Barroco』(思潮社)、第35回現代詩人賞には中村稔『言葉について』(青土社)が選ばれた。会員投票及び選考委員推薦による候補詩集及び選考経過は、当会「会報」146号、ホームページ、『現代詩2017』をご参照ください。
5 『現代詩2017』の発行(北畑理事)
 担当は田村副理事長と北畑理事で行った。第67回H氏賞関連として受賞者略歴、受賞のことば、選考経過、選考評、受賞詩人について、 作品抄を掲載。第35回現代詩人賞関連として受賞者略歴、受賞のことば、選考経過、選考評、受賞詩人につい て、作品抄を掲載。先達詩人の顕彰関連として略歴、作品、詩人紹介を掲載した。またH氏賞、現代詩人賞関連資料を掲載した。
6 日本の詩祭2017・先達詩人の顕彰(田村副理事)
 2017年6月18日(日)にホテル メトロポリタン エドモントで開催された。総合司会は田村雅之実行委員長、司会は塚本敏雄、草野理恵子両氏。
 新延拳理事長の開会の挨拶に続き、第67回H賞贈呈式となった。八木忠栄選考委員長の選考経過報告を行った。以倉紘平会長から受賞者の北原千代氏にH氏賞が贈呈された。瀬崎祐氏が受賞詩集『真珠川Barroco』と本人について紹介した。その後、北原氏の受賞のことばを頂いた。
 第35回現代詩人賞は、倉橋健一選考委員長が選考経過を報告。以倉会長から受賞者の中村稔氏(体調不良のため、次女の中村朝子氏が代理出席)に現代詩人賞が贈呈された。高橋順子氏が受賞詩集『詩について』について紹介した。その後、中村氏の受賞のことば(代読)を頂いた。
 先達詩人の顕彰では、木村迪夫氏、菊田守氏、財部鳥子氏に、以倉会長より深い敬意のことばと顕彰状が授与された。最後に、北原氏及び中村氏(代理)が、各受賞詩集から作品を朗読した。
 沖縄県立大学教授の波照間永吉氏の講演「琉球歌謡のことばと表現」が行われた。
 アカペラの男性コーラス5人組「ベイビー ブー」の歌の演奏。閉会のことばは、田村雅之実行委員長が行った。
 午後6時から、懇親会が行われた。司会は曽我貢誠、長田典子両氏。
 田村副理事長の開会のことば、以倉会長の挨拶のあと、HPの第1回投稿欄新人賞の表彰があり、野村喜和夫選考委員長から、櫻井周太氏に賞状と副賞が贈られた。そののち名誉会員の新川和江さんから乾杯の音頭をいただき、会場は祝宴ムードに包まれた。盛会のなか、来賓の川中子義勝氏の祝辞や新入会員、遠方会員の紹介と、つつがなく続き、結びの挨拶は黒岩隆詩祭担当理事。ここで「日本の詩祭2017」は閉会となった。
 会員170名、報道20名、一般60名で計250名の参加。懇親会は120名であった。
7 現代詩ゼミナール
 ⑴東日本ゼミナール(杉本理事)
  2016年11月27日(日)に現代詩ゼミナール〈東日本〉in宮城」が開催された。会場はゼミナールが仙台文学館、懇親会はパレスへいあん。講演は第34回現代詩人賞受賞記念講演として尾花仙朔氏と特別講話は「漫画家、詩にさわる」いがらしみきお氏。詩朗読は布川鴇、橋浦洋志、二階堂晃子、千田基嗣、藤川みちる、日野修+かとれあprojectの各氏。参加者145名、懇親会72名。詳細は会報145号に掲載した。
 ⑵現代詩ゼミナール(東日本)と新年会(杉本理事)
  2017年1月14日(土)に「現代詩ゼミナール(東日本)と新年会」が開催された。会場は早稲田奉仕園 スコットホール(講堂)、リバティホール。講演は管啓次郎氏「動物のいのちとリワイルディング(再野生化)」と小池昌代氏「サネトモさん」。詩朗読は伊藤悠子、浜江順子、黒崎立体、川名子義勝、草野早苗、田村雅之、瀬崎祐、石田瑞穂各氏。参加者67名、懇親会49名。詳細は会報146号に掲載した。
  次回の東日本ゼミナールは10月21日、山形県・酒田市で開催予定。
 ⑶日本ゼミナール(瀬崎理事)
  2017年2月25日(土)に「西日本ゼミナール・高知」として、西日本ゼミナール高知実行委員会と共催。会場は高知市「高知会館」飛鳥の間、第一部・講演1「詩を生きる、ということ」林嗣夫氏。詩の朗読は、森原直子、水野ひかる、清水恵子、べつのしかたで、高瀬草ノ介各氏、飛び入り数名。講演2「詩作への動機をめぐって」武藤整司氏。第二部の懇親会は同ホテルにて。参加者はゼミナール101名、懇親会65名。詳細は会報146号に掲載した。
8 国際交流(鈴木理事)
 「国際交流・ベトナム2017」を2017年4月1日、早稲田奉仕園リバティホールで開催。以倉絋平会長の主催者挨拶、またベトナム社会主義共和国日本大使館よりパム・クエン・フン一等書記官、日本ベトナム友好協会の本吉良吉理事長、(社)日本詩人クラブ太田雅孝理事長、早稲田大学大学院白石昌也教授の来賓挨拶他があった。
 講演は東京外国語大学大学院の今井昭夫教授「ベトナム文化の魅力と近現代」と、ベトナム作家協会より招聘したアイン・ゴック氏による「ベトナムの詩・ベトナム人が心を留める場所」であった。詩の朗読はアイン・ゴック氏が自選作品11編を、スピーチを交えて行う。日本語訳詩を会員の原田道子、小林登茂子、山中真知子、原詩夏至の各氏が朗読。
9 入会審査(岡島理事)
 入会担当理事の岡島弘子の他に秋亜綺羅、北川朱実、中本道代、浜江順子各理事の計5名で審査に当たり、49名の入会を決定、理事会の承認を得ました。11年度から入会資格の内規を改めた。「詩集・詩論集・訳詩集・訳詩論集の2冊以上出版の実績を持つ者」から、会則どおり「詩集・詩論集・訳詩集・訳詩論集を出版した者」の運用により審査したため、昨年度に続き新入会員が増加した。
10 後援賛助(新延理事長)
 総会資料にあるように各地の16件の後援賛助を行った。それなりにお役に立てているのではないかと思われる。
11 ホームページの運営(光冨理事)
 細かいことは総会資料に書いてあるので、これを参考にしてほしい。(2015年12月25日リニューアルオープン。現在(オープンから18か月の間)までに4万人程度の訪問者(ユーザー数)他)
 追加と訂正がある。現在の主な作成のページは60ページ以上。月間にすると一万円程度の費用がかかる。内訳はHP制作会社への八千円程度の保守管理費とHPを置く場所のサーバー代が千数百円程度となる。
 第5期(2017年4月から6月)の投稿数は389作品、投稿者222人で、少しずつ増えている。内訳は10代が22名、20代が70名、30代が35名、40代が32名となっており、若い方々に関心をもたれていると思われる。海外からの投稿、閲覧もある。
 入力チームにより戦後詩史年表(1945-2008)の作業が完了した。(その後は、検討課題となる)
 投稿欄の年間選考を行い、投稿欄新人賞を決定した。選者は野村喜和夫(選考委員長)、高貝弘也、峯澤典子各氏により現代詩投稿新人賞は櫻井周太氏に決定された。現代詩投稿新人として横山黒鍵、上原梨花、樽井将太各氏。授賞式は6月18日(日)午後6時より、詩祭のパーティーにて。新人賞及び新人の表彰。新人賞の櫻井さんの3分間スピーチ。新人賞・新人3名の詩1編の朗読。
 今後は手付かずのページがあるので、それを補充していきたい。
12 その他(新延理事長・秋理事)
 秋理事から報告があった。詩集賞の選考について、「詩集賞のあり方検討委員会」が設置されている。委員は以倉紘平、新延拳、田村雅之、八木幹夫、中本道代、斎藤正敏、布川鴇、秋亜綺羅各理事。
 今回は会則、細則を改定せずに共通の認識として確認できることを、今後の詩集賞選考委員会と次期以降の理事会への「申し送り事項」としたい。主な内容は以下のとおり。
 ⑴H氏賞においてはほかの賞とのダブル受賞は認めない。H氏賞は全国的な詩集賞受賞歴がある者は受賞の対象としない。現代詩人賞においても、ダブル受賞はできるだけ避けたい。両賞ともに、複数名受賞を今後認めない。投票結果で両賞にノミネートされた詩集がある場合、第1次選考委員会において、両選考委員長、会長、理事長の協議により、どちらかに絞るなど。
 ⑵歴代現代詩人賞受賞詩集収集に関する報告として。歴代のH氏賞受賞詩集は、公益信託平澤貞二郎記念基金の運営委員・平澤照雄氏の故郷である福井県の三国図書館に全冊揃えられている。歴代の現代詩人賞受賞詩集も全冊揃え、三国図書館に寄贈したいという提案があり、平澤氏から全面的な協力をいただくことになった。絶版の本は古書店やネット書店で入手。それらは平澤氏のご好意で、スキャニングされデジタル編集される予定。その後未収蔵の16冊は三国図書館へ贈られる。
 ⑶新延理事長から報告があった。70周年事業自体は、次々回の理事会においてなされるが、2016年の総会において、現理事会の考え方が問われた。第2回理事会において、その他議題として当該問題を討議した。過去2回行ってきた豪華本(『資料・日本の詩』など)の10年ごとにおける作成・配布は必要ないのではないか。新しいHP「会員のアンソロジー」(略歴込み)や「会の歴史」等も詳しく紹介されている。本の作成および配布に多大な経費がかかることも、現在の当会においては負担である。ただし、要望が多い場合には別途会費を取り、安価版を作成することも考えられる。そのほかに日本全国をいくつかのブロックに分け、それぞれで創意と工夫を凝らしてもらい、地方大会などのイベントを行ってもらう。それらに対して援助金を出すことにしたらよいのではないかなどの案も出された。次期理事会が判断することだが、上記の事柄を引継ぐこととした。

Ⅱ会計関係
 宮崎理事より2016年度の収支決算報告があり、「赤字が多いのだが、燃費が悪い車に例えられ、このままでいくと走られなくなる。新延理事長の発言のように体制を変えていかないといけない。また、理事会をインターネットで開催するなどの方法もとってきた。天候不順や入学式や日程などが重なり、恵まれない状況もあった。」と述べた。
 秋山・鈴木(欠席)監事により会計監査報告が行われ「任意団体であるが、瑕疵がなく適正に執行された。また、出費に関して前年度と今年度の差額について伺ったが、納得のいく説明であり、普通にやっていくと赤字になる結果となる。今後は次の方々がやっていくのだが、抜本的なことを考えないといけない」と述べ、承認された。

Ⅲ議案
1 ⑴新延理事長より事業計画案(総会資料14頁参照)
   ・2017年10月21日(土)東日本ゼミナールin山形(酒田)
   ・2018年1月13日(土)東日本ゼミナール 新年会と講演(早稲田奉仕園)
   ・5月27日(日)日本の詩祭2018開催(ホテル メトロポリタン エドモント)
   入会審査は2か月に1回行われていたが、変更があるかもしれないと報告があった。
  ⑵宮崎理事により2017年度収支予算案が提案された。「予算は例年通りだが、もう少し繰越金を残す方向にしないといけないので、次年度繰越金を増やした」と報告があった。
2 新延理事長より会則の改正について提案があり、質疑応答があった。
  ⑴「会則16条 この会は理事18名をもって理事会を構成する(旧)」
   「会則16条 この会は理事15名をもって理事会を構成する(改)」
  ⑵「会費・入会金納入細則」
    第6条 当会ホームページ投稿新人賞受賞者が35歳以下の場合は、入会金を免除することができる。(新)
 質疑応答の結果、理事会開催には大きな経費もかかるためその節減のためもあり「会則16条 この会は理事15名をもって理事会を構成する(改)」の改正は承認された。
 一方、ホームページ投稿欄新人賞の入会金3万円免除については「「35歳以下」という年齢制限が格差・差別に当たるので線引きはいかがか」という見方(年齢が上の方の投稿意欲を削ぐようなことにならないか、会員は平等であるべき)と、非正規雇用や経済的な問題もあり若者の支援が必要という見方と、意見が分かれ、挙手により次期理事会による継続審議となった。
3 理事選挙報告 2017・2018年度 理事承認(野田新五、塩野とみ子両氏)
 5月18日第10回理事会で、理事選挙投票管理委員の野田新五、塩野とみ子両氏の立会いのもと開票を行った。(会員総数1071名、投票数255票、投票率23.8%)。「理事選挙の投票は厳正かつ間違いなく行われた」と報告があった。
 その後、投票上位の者および会則17条により理事候補を選定した。
 理事長が得票順に各候補に理事就任の諾否を問い合わせたところ、11名の承認が得られた。その他17条による補充理事候補に就任を要請し4名の承諾が得られ、合計・下記の15名が17・18年度 の理事候補に確定した。
 総会で承認を得た上、新理事は9月21日開催の2017年度第2回理事会で初会合し、互選により会長、理事長、副理事長及び各理事の役割分担を決めることとなる。
 秋亜綺羅、麻生直子、以倉紘平、一色真理、菊田守、新藤凉子、鈴木豊志夫、塚本敏雄、中本道代、浜江順子、春木節子、光冨郁埜、山田隆昭、山本博道、渡辺めぐみ各氏
 その後、新理事たちの短い紹介・挨拶を行った。
4 名誉会員推挙(以倉会長)
 名誉会員に安藤元雄氏を推挙。総会で承認された。
5 会費納入に伴う議案(布川理事)
 年会費納入状況の説明があった。また、3年以上の会費未納者がある場合、下記条項があるが、残念ながら該当者がいるので、その審議が行われ、承認された。退会の3方は不名誉に名前が残るので、何らかの事情があれば会計や理事長に話してほしい。
【参考】会費・入会金納入細則第5条「会員が3年以上にわたり督促にもかかわらず会費を納入しない場合は、総会の承認を経て、退会したものと見なす」

Ⅳ報告事項(中本理事)
 会員の入退会は、入会49名、退会42名、逝去14名となったことが報告された。入会の歓迎の意味もこめて49名の名前が挙げられた。会員総数は1061名(12名の名誉会員含む)、引き続き会員を増やす努力をしていく。
 会員の意見・消息披露が八木理事から和やかな雰囲気で行われた。その後議長団解任があった。
 また名誉会員の安藤氏から挨拶があり、以倉会長から記念品贈呈があった。
 田村副理事長の閉会の辞により、本年度の総会は無事に終了した。

 この後、会場を移して懇親会が開かれた。司会は瀬崎祐、海埜今日子の両氏。以倉会長の挨拶のあと、新藤凉子氏の音頭で乾杯。アトラクションとして、吉田義昭氏が「懐かしの世界各国の歌を」を披露。ピアノは久富ひろむ氏。新人会員や、遠方からの参加者そのほかの方々の挨拶スピーチにより、懇親と交流が和やかに行われた。(記録・光冨郁埜)

総会出席者(50音順・敬称略)

秋亜綺羅、秋山公哉、麻生直子、天野英、安藤元雄、以倉紘平、池田康、一色真理、植木信子、海埜今日子、大掛史子、岡島弘子、北岡淳子、北川朱実、北畑光男、黒岩隆、桑田窓、こたきこなみ、小林登茂子、斎藤正敏、酒木裕次郎、塩野とみ子、清水茂、新藤凉子、杉本真維子、鈴木東海子、鈴木豊志夫、鈴木比佐雄、鈴木昌子、鈴切幸子、関中子、瀬崎祐、曽我貢誠、高橋次夫、田村雅之、鎮西貴信、塚本敏雄、対馬正子、廿楽順治、常木みや子、徳弘康代、戸台耕二、長嶋南子、中原道夫、中本道代、なべくらますみ、新延拳、西野りーあ、野田新五、根本明、萩原里美、浜江順子、原詩夏至、原田道子、春木節子、船田崇、細見和之、堀内みちこ、三ヶ島千枝、光冨郁埜、宮崎亨、宮地智子、宮本苑生、森三紗、森水陽一郎、八木幹夫、安森ソノ子、山田隆昭、山本博道、吉田ゆき子、吉田義昭、渡辺めぐみ

 

ページトップへ戻る