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日本現代詩人会
会長 新井豊美
 
現代詩人賞は故澤野起美子氏の資金提供により一九八三年に創設されました。選考基準は「中堅以上のすぐれた詩集を広く社会に推奨することを目的とする。」と規定され、賞金五十万円及び記念品は「公益信託現代詩人賞澤野起美子基金」から提供されているが、二〇〇七年度から同基金に、桃谷容子記念基金より二千五百万円が充当され、運営されることになりました。なお、H氏賞は故平澤貞二郎氏の資金提供により一九五一年に創設され、「新人のすぐれた詩集を広く社会に推奨することを目的」とし、賞金及び記念品
は「公益信託平澤貞二郎記念基金」から提供されています。両賞はともに本会の会員・非会員を問わず選考対象とされ、選出されます。また、受賞詩集は本会が買い上げ、全国主要図書館並びに文学館等に寄贈する。(本年度もそれぞれ六〇余冊を送付。)
▼現代詩人賞選考委員の委嘱は、二〇一〇年十月の第三回理事会で七氏の選考委員と選挙管理委員二名の候補推薦をし、後日各候補者の内諾を得て決定した。委員は以下の通り
投票管理委員 奥重機・植村秋江
現代詩人賞選考委員
井奥行彦 大橋政人 こたきこなみ(*) 斎藤正敏(*) 高貝弘也 たかとう匡子 藤富保男
(氏名はあいうえお順*は理事)
▼対象詩集の要件その他
投票開票要領、日時場所、投票管理委員(奥重機・植村秋江)両氏の立会いはH氏賞と同様。今年度の投票状況は昨年度を若干上まわる結果となった。今後とも会員諸氏の積極的な投票参加をお願いしたい。
会員総数九九八名、投票率は三六・七七%。会員投票による候補詩集は二位と八位が同数のため、次の通り九冊となった。
①水野るり子『ユニコーンの夜に』(土曜美術社出版販売) 30票
②北岡淳子『鳥まばたけば』(土曜美術社出版販売)16票
③岡 隆夫『川曲の漁り』(砂子屋書房)  16票
④高垣憲正『春の謎』(土曜美術社出版販売)  14票
⑤山本みち子『夕焼け買い』(土曜美術社出版販売)13票
⑥井坂洋子『嵐の前』(思潮社)  12票
⑦貞久秀紀『明示と暗示』(思潮社)  10票
⑧粕谷栄市『遠い川』(思潮社)  9票
⑨高田太郎『雷魚』(土曜美術社出版販売)  9票
以上の詩集を会員投票候補として、理事会から選考委員会に申し送った。
以下次点として八票同数で、樋口伸子『ノヴァ・ス現代詩人賞選考委員コティア』(石風社)、三井葉子『人文』(編集工房ノア)、清水惠子『駄駄』(思潮社)があった。
▼第一回選考委員会には委員全員が出席し、互選により井奥行彦氏が選考委員長に選ばれた。続いて選考委員推薦詩集の検討を行い、討議の中から次の三冊が候補として追加された。
嶋岡晨『愉しい人生の草野球』(書肆青樹社)
中江俊夫『伝言』(思潮社)
相沢正一郎『テーブルの上のひつじ雲 テーブルの下のミルクティーという名の犬』(書肆山田)
▼第二回選考委員会
以上の候補詩人に受賞の諾否を確認した結果、全員了解の旨が山本担当理事より報告され、最終選考に入った。冒頭、井奥委員長より委員推薦の三冊を加えた十二冊の詩集を選考対象とする確認があり、各選考委員より対象詩集への感想を述べあう討議に入った。その後、各委員による五冊の推薦詩集の絞込みを行なった結果、八冊(水野、高垣、井坂、貞久、粕谷、嶋岡、中江、相沢)の詩集が残り、次の段階で三冊の推薦の絞込みを行なった結果、三冊(高垣、貞久、粕谷詩集)が同点の四票を得たので、この三冊の中から一冊を選ぶこととし、投票の結果、高垣三票、粕谷二票、貞久二票となった。この投票を遵守するかたちで、委員全員が高垣憲正氏の『春の謎』を第二十九回現代詩人賞とすることに決定した。
 
(文責・理事長 八木幹夫) 
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